[世界文化遺産登録20年 現状と課題](1)

世界文化遺産の座喜味城跡=読谷村座喜味

座喜味城跡の模型や歴史を伝える展示をPRする上地克哉課長=17日、読谷村・世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアム

座喜味城跡

世界文化遺産の座喜味城跡=読谷村座喜味 座喜味城跡の模型や歴史を伝える展示をPRする上地克哉課長=17日、読谷村・世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアム 座喜味城跡

 「琉球王国のグスクおよび関連遺産群」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録されてから、12月で20年を迎える。沖縄の世界遺産を取り巻く環境はどう変わったのか。現状と課題を追った。

 年間約20万人が訪れる読谷村座喜味の「座喜味城跡」。世界遺産登録後、観光客が増加したことなどを受けて2018年、村立歴史民俗資料館と村立美術館を統合し、リニューアルした「世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアム」が開館した。村の歴史や文化を伝え、城跡のガイダンス施設としての機能も担う。県内の市町村立の博物館としては充実した規模を誇るが、年間の来場者数は伸び悩む。村は「周知不足」を課題に挙げ、今後SNSなどを活用し、施設に来てもらう仕組みづくりに力を入れる。

 座喜味城跡は世界遺産登録以降、年間約5万人だった来場者数は19年には約20万人に増加した。資料館と美術館の施設の老朽化が進んだこともあり、増加する外国人観光客に対応できる展示を目指して一新した。約6万点を収蔵した歴史資料や美術品のほか、城壁が曲線でできた城跡の模型や村の伝統工芸、自然壕チビチリガマで起きた沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」を再現したジオラマなどを紹介。展示物を多言語で音声案内するスマートフォンのアプリも導入した。

 一方、来館者数は開館した18年6月~翌年3月までの10カ月間で約2万7千人、19年は4月~翌年2月で約3万6千人。年間約1万5千人だった前施設から増えているものの、座喜味城跡の来場者数の4分の1を呼び込みたいという当初目標の5万人を下回った。20年3月以降は新型コロナウイルスの影響で9月までに3回休館しており、来館者は前年より大きく減少する見通しだ。村文化振興課の上地克哉課長は「周知不足が課題。まだ開館してから約2年半なので、存在を知らない人も多い」と話す。座喜味城跡の入場料は無料で、ミュージアムは有料であることに「敬遠する人」も多いという。

 コロナ禍を機にインスタグラムなどSNSやホームページで展示作品を紹介するなど広報に力を入れ始め、今後も来館につながる仕組みづくりを目指す。世界遺産登録から20年を迎え「座喜味城跡と共に地域を盛り上げていける場所にしたい」と意気込んだ。(中部報道部・大城志織)