沖縄タイムスSDGsプロジェクト MIRAIづくり]

畑を囲うように植えられたベチバーを紹介する西原理事長(左)と農業環境コーディネーターら=24日、糸満市

「みらいチケット」普及に取り組むタコライスラバーズのメンバー

沖縄タイムス×SDGs 事業一覧

畑を囲うように植えられたベチバーを紹介する西原理事長(左)と農業環境コーディネーターら=24日、糸満市 「みらいチケット」普及に取り組むタコライスラバーズのメンバー 沖縄タイムス×SDGs 事業一覧

 2015年に国連で採択され、17の目標達成まであと10年になるSDGs(持続可能な開発目標)。沖縄タイムス社も「行動の10年」を機にあらためてSDGsの理念を自社に引き寄せ、これまで取り組んできた事業を整理、新たに取り組むべき事業や報道、自社の改革に生かしていきます。沖縄タイムス社のこれまでの取り組みと、自社クラウドファンディングLink-U(リンクユー)を活用した新事業第1弾のSDGs応援企画を紹介します。

■赤土流出防ぎ美ら海守る

 赤土流出防止に取り組むNPO法人おきなわグリーンネットワーク(西原隆理事長)は28日から、沖縄タイムス社のクラウドファンディングサイト「Link-U」で「美ら海と赤土等を守るSDGsプロジェクト2020」を立ち上げ、活動費を募る。農地から流れ出る赤土は海洋汚染の一因とされ、対応が急がれている。集まった寄付は、畑を植物で囲うグリーンベルトの整備や、子どもたちの環境学習に役立てる。

 沖縄は、赤土などの土壌が細かい上、雨の強さを示す降雨係数が全国平均の3倍となり、土壌が海に流れ出やすい環境となっている。戦後の開発事業などで流出が加速し、サンゴなどに深刻な影響を与える海洋汚染を引き起こしてきた。

 流出量の8割を占める農地での対策が大きな課題。おきなわグリーンネットワークは、地中深くに根を張るイネ科のベチバーを畑の周囲に植える活動を続けている。環境学習では、沖縄の自然の豊かさを子どもたちに伝えている。

 クラウドファンディングはJAおきなわも協力。返礼品に県産和牛やあぐー豚肉、シークヮーサー、黒糖を提供する。

 西原理事長は「美ら島と美ら海を守る活動に理解いただき、支援してほしい」と話した。

 Link-U(リンクユー)はこちらから。

■ソウルフードで子を支援

 Link-Uを活用して資金調達に成功した子ども支援団体タコライスラバーズ(山川宗徳代表)のSDGsプロジェクトが12月1日、本格的にスタートする。

 プロジェクトは県内の小学生以下の全ての子どもを対象に第1弾として約5千食分のタコライスを無料提供するもの。企業や個人が支援した金額分の食券(みらいチケット)が発行され、12月1日までに協力店(11月28日現在で30店舗)に100枚ずつ配る。子どもたちは同日から協力店にある食事券を使って食事ができる。

 プロジェクトのモデルとなったのは奈良県橿原(かしはら)市の飲食店「げんきカレー」の「みらいチケット」だ。同店はSDGsの先進事例として全国的に注目を集めている。

 山川さんは「貧困は諸悪の根源。子どもたちにひもじい思いをさせない」との強い決意から、SDGsの目標(1)「貧困をなくそう」(2)「飢餓をゼロに」-の達成に向け活動を始めた。タコライス発祥の金武町で育ち、幼少時代に毎日のように食べていたことから「沖縄のソウルフードで子どもたちを笑顔にしたい」と考えた。

 タコライスラバーズは8月17日から9月17日までLink-Uで「一皿のタコライスで救える未来がある」と全国に支援を呼び掛けた。当初目標額を大幅に上回り、総額322万47円(支援者数423人)を集めた。山川さんは「12月1日のスタートに向けて最終準備を進めている。支援者の方に感謝するとともに多くの県民が取り組みに参加いただくことを期待している」と呼び掛けた。問い合わせは事務局、電話080(2697)1226、山川さんまで。

【タイムス、関連事業推進へ】

 沖縄タイムス社の事業は、戦後の荒廃した時代を背景に「文化の力」で復興させようという創業の理念から文化事業(スポーツを含む)を中心に力を入れてきた特徴があります。琉球古典芸能を守り発展させる伝統芸能選考会や総合美術展「沖展」に代表される取り組みで、70年を超える歴史があります。

 また、沖縄タイムス教育賞をはじめとする教育関連事業も多く、SDGsの目標で関連付けると、文化的および教育関連事業の取り組みは(4)「質の高い教育をみんなに」、(11)「住み続けられるまちづくり」、(17)「パートナーシップで目標を達成しよう」の取り組みと一致しています。

 近年では子どもの貧困問題に対応する「沖縄こども未来プロジェクト」や、「タイムスふれあい事業」「タイムス地域貢献賞」といった福祉面、地域活性化の視点で支援する取り組みも増えています。

 沖縄タイムス社が主催、共催するほか、事業の実施団体と継続的に事業を進めるものを含めると130事業を超えており、今後、新しい事業創出とともにSDGsの理念も一つの道標として捉え、事業を推進する考えです。

[ことば]

 SDGs 「Sustainable Development Goals」の略で、持続可能な開発目標という意味です。2015年9月の国連で、2030年までにより良い世界を築く国際社会全体の目標として採択されました。

 貧困の撲滅や質の高い教育の提供、ジェンダーの平等といった人間社会の課題のほか、海や陸の環境保全や気候変動への対策などの環境問題、産業や技術革新の基盤づくりや適切な経済発展など17ゴール(目標)と169のターゲットを掲げ、「誰一人取り残さない」社会の実現を目指しています。

 SDGsは発展途上国の課題というだけでなく、先進国自身が取り組む普遍的な目標として捉えられており、日本も沖縄も行政から民間企業、個人を挙げて取り組む動きが活発化しています。