沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、県の埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の裁決は違法として、県が裁決の取り消しを求めた「抗告訴訟」の判決が27日、那覇地裁であった。山口和宏裁判長は「訴えは法律上の争訟(裁判所の審判対象)に該当せず、不適法で許されない」として県側の訴えを却下した。県の承認撤回や国交相の裁決が違法か適法かを示さないまま、裁判の入り口論を巡る論争で門前払いした。

判決骨子

山口和宏裁判長(代表撮影)

判決骨子 山口和宏裁判長(代表撮影)

 国交相裁決が取り消されなかったことで、辺野古の工事は当面、続くことになる。辺野古の市民らが起こした「抗告訴訟」は入り口論を突破しており、対照的な結果となった。県は判決を不服として控訴する方針。

 判決後、玉城デニー知事はコメントを発表、「抗告訴訟でも違法な裁決の取り消しを求められないならば、地方自治体側には救済の途がまったくないことになる」と問題視。国交相裁決の違法性などが審理されず「納得できない」とした。

 山口裁判長は、県側の訴えが裁判の審判対象とならないとした根拠として、2002年の「宝塚パチンコ訴訟」最高裁判例に該当すると判示。地方自治体が原告となる訴訟のうち、行政的な争いは審判対象とならないとして、訴えは不適法と結論付けた。県は取り消し訴訟を提起する適格性もないとした。

 憲法が保障する地方自治の観点から自治権が侵害されたとの県の主張に対しては「埋め立ての免許・承認事務が憲法上、地方自治体に認められた固有の自治権に含まれるものとは解されない」と違法性を否定。

 県の訴えを不適法と却下したことで、司法で争う手段がなくなったことは認めつつも「地方自治体の権利利益の保護に欠けるものではない」と問題にはならないとの考えを示した。

 今回の抗告訴訟は辺野古を巡る県と国の8件目の訴訟。今月20日に福岡高裁那覇支部で結審したサンゴ特別採捕許可申請を巡る関与取り消し訴訟は9件目で、来年2月3日に判決が言い渡される。

(写図説明)山口和宏裁判長(代表撮影)

(写図説明)判決骨子