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「救急の患者を断るかも」コロナ用以外のベッドが不足の危機 沖縄の病院で定員オーバーも

2020年12月2日 07:46

[新型コロナ 沖縄の今]

 新型コロナウイルス感染拡大で、沖縄県内の中核病院でコロナ以外の患者用の病床が満床に近づき、緊張が高まっている。コロナ患者用の病床を確保したことで一般病床数が制限されているためで、一部で定員を超過して入院させる「オーバーベッド」の状況も出ている。病院関係者はインフルエンザなどでさらに逼迫(ひっぱく)すれば、救急患者らの受け入れが難しくなると危機感を募らせる。「コロナ禍の冬」を前に、県は一層の健康管理を呼び掛けている。(社会部・光墨祥吾、篠原知恵)

 本島南部のある病院は、非コロナの病床占有率が97%に達した。インフルエンザ流行などで同程度の高水準になる年もあるが、担当者は「今年はコロナ患者のために病床を空けており、一般病床の許容範囲そのものが狭い」と説明。コロナ患者用の病床も90%前後で推移しているという。

 別の南部の病院も非コロナの病床は88%前後。冬場は高齢者の入院が増え、入院は長期化しがちだ。マスク着用や手指衛生が日常化し、例年よりインフルエンザの感染者は少ないが、冬本番はこれから。担当者は「非コロナの病床占有率がさらに上がれば、救急患者の受け入れを制限せざるを得なくなる」と漏らす。

 県内の複数の消防本部によると、病院の受け入れ態勢について情報を密にしているため、搬送時間の遅れやたらい回しなどの影響は現時点で出ていない。

 ただ、コロナ以前から慢性的なベッド不足に悩まされる中部では今、非コロナ患者の病床逼迫が特に深刻だ。一部の病院でオーバーベッド状態となる日も発生している。県によると、11月30日時点でコロナ患者を受け入れる医療機関の非コロナ病床の使用率は平均90%を超えた。県は、回復期病院や福祉施設などと連携し、症状が安定した患者の転院調整などを急ぐ。

 ある急性期病院の関係者は「通常は7人の入院患者に対し看護師1人の配置だが、コロナ病床は4人に1人ほど必要。マンパワーの面でも、コロナ病床を10床増やせば、非コロナ病床を20床減らす理屈になる」と説明する。

 未知のウイルスの先行きが見通せない中、限られた病床数をコロナと非コロナの患者にどう割り振るか。同関係者は「県の病院長会議でも議論したが、答えが出ない」と話した。

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