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沖縄タイムス社へ「不正を防止する規定や制度が不十分」 検証委、社会的責任を指摘

2020年12月4日 05:00

 沖縄タイムス社元社員による新型コロナウイルス持続化給付金などの不正受給事案を受け、同社が設置した第三者を交えた特別検証委員会(池田修委員長=元沖縄弁護士会会長)は3日、「社内調査の信頼性および組織的課題の検証、再発防止策に関する報告書」を答申した。不正行為を防止するコンプライアンス(法令順守)などに特化した規定や制度が設けられていないことを問題視。「危機管理が不十分である」と改善を求めた。不正防止の行動規範などの制定、コンプライアンス委員会などの設置、社内研修の徹底などを提言した。(関連記事>> 報告書全文>>

沖縄タイムス社

特別検証委員会の報告書骨子

沖縄タイムス社 特別検証委員会の報告書骨子

 検証委は、元社員の給付金などの不正受給・借り入れは「社会に大きな衝撃を与え、同社の信頼を大きく損ねた」と指摘。不正を防げなかったことに対する「社会的責任を痛感すべきである」と断じた。

 社内調査について、給付金をだまし取ったとして詐欺容疑で逮捕された元社員(45)ら2人以外に、社内・関連グループで不正な受給・借り入れはなかったとする結果と調査手法について、「おおむね妥当、信憑性(しんぴょうせい)は高い」という見解を示した。

 組織的課題として、役職員の不正行為を防止するために必要な行動規範などが定められていないことを挙げた。重大な不正行為が長年起きていなかった同社の状況を踏まえつつ、「不正行為を防止するための諸規定を定めなくていいことにはならない」とした。

 事案を迅速に把握し、不正を防止する内部監査を担う組織や不正行為の情報を会社に提供できる内部通報制度の整備が必要と明記している。

 不正防止を目的とした研修がないとし、「充実した研修の実現に向けて真摯(しんし)に取り組むこと」を強く求めている。

 同社は元社員と緊急小口資金を不正に借り入れた関連会社の30代の元社員ら2人、勧誘を受けた社員2人から任意で聴取した。全役職員498人に対するアンケートと面談による2次調査を行い、2人以外に不正はなかったという結論をまとめた。検証委は6回開催した。

■沖縄タイムス社「信頼回復に努める」

 本日、特別検証委員会から最終報告書を答申いただきました。社員(当時)が不正行為に及んだことについて、「防止できなかったことに対する社会的責任を痛感すべきである」との指摘を重く受け止めます。

 不正行為を防止するための各種規程が十分でなく、内部監査組織・内部通報制度の不備なども課題として示されました。「危機管理が不十分」との指摘には弁解の余地もなく、組織体制に根拠なき過信があったことを反省しております。今後は、倫理規程やコンプライアンス規程、内部統制(ガバナンス)規程など、提言いただいた各種規程・制度・組織体制を整備するとともに、それらを社員に浸透させるための研修制度の強化などに全力で取り組んでまいります。

 人々の知る権利に応え、社会が公正・公平であるために、新聞社が大きな責任を担っていることをあらためて自覚し、同様な事案が二度と起こらないよう再発防止策を徹底し、信頼回復に努めてまいります。

 沖縄タイムス社

<情報を募ります>

沖縄タイムスは新型コロナウイルスに関する持続化給付金など、公的支援制度の不正受給問題の取材を進めています。不正受給に関する情報を広く募ります。

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