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道路を挟んだローソンの横にオープンしたセブン―イレブンの店舗=11月26日、那覇市泉崎

 セブン-イレブンがファミリーマートやローソンに隣接する店舗を県内で続々と開業させ、出店攻勢を強めている。セブンは「マーケット調査による判断の結果であり、意識した訳ではない」と隣接地への意図的な出店を否定するが、対抗する2チェーンは、セブンが地域を絞った集中的な出店で市場占有率を高める「ドミナント戦略」で全国のシェアを拡大してきたことから警戒を強めている。(政経部・仲田佳史)

 セブンは今後も隣接をいとわず出店する構えで、2チェーンは店舗のリニューアルや誘導看板の設置などを進めて、激化する「コンビニ戦争」に備える方針だ。

 セブンは2024年7月末までに250店を出店する計画を描く。1年平均50店舗を開業させる必要があり、県内初出店から、約1年5か月がたつ3日現在、店舗数は66店。セブン-イレブン・沖縄の久鍋研二社長は「予定通りのペース」と話す。

 ファミマは県内最多の328店、ローソンは245店を展開。セブンの出店前よりもファミマは3店舗、ローソンは13店舗増やしている。

 セブンは、北部から南部までまんべんなく出店する方針だが、最近は競合店の間近に出店するケースが目立つ。11月中旬に国立劇場おきなわ近くのファミリーマートの真横と、道路を挟んですぐ隣にローソンのある県庁近くのホテル内に開業。3日にはローソンに近接する南部合同庁舎のビルにも出店した。

 他チェーンの担当者は「商圏がわざと重なる場所に出している。最後は自分たちが勝つという相当の自信の現れだ」と眉をひそめる。

 ドミナント戦略でシェアを拡大してきたセブンだが、関係者は「沖縄はより近接地に出店しやすい環境がある」と明かす。国の法律で、たばこ販売事業者の近接が禁止されており、各事業者は25~300メートルの距離を空ける必要がある。だが、沖縄は日本復帰前の慣例から、この法律の適用を除外されているためだ。

 コンビニでたばこは売れ筋の上位に位置する品目。関係者は「喫煙者はコーヒーや弁当も『ついで買い』するため、客単価が高い。全国では競合店が撤退するまでたばこを取り扱えないが、沖縄は関係なく売ることができる」と利点を挙げる。

 一方、近接地への出店は、競合店と客足が分散し、目標とする収益が得られない事態も想定される。セブンと同じようにファミマ、ローソンも近接地に出店して激しい競争を繰り広げてきたが、あるチェーンの担当者は「店舗が少ない時代なら近くても収益が得られるので出店できた。だが、今は割を食うのはオーナー。『聞いていた話と違うじゃないか』となるので簡単にはいかない」と明かす。

 2チェーン共に先行出店の利を最大限に高める方針で、地域商材のさらなる開発を強化。中でも、できたてのパンや弁当の店内調理は契約工場との関係でセブンが打ち出せない分野として、磨きを掛ける。あるチェーン担当者は「ただ指をくわえて見る訳にはいかない。セブンの強みを徹底的に調べて一つひとつつぶしていく。負ける気はさらさらない」と気を引き締めた。