教員が児童生徒らへのわいせつ行為で処分される事例が後を絶たない。

 信頼していた教員から被害を受け心に深い傷を負った子どもたちを思うと、立場を利用した卑劣な行為に憤りを覚える。厳正な処分が必要だ。

 文部科学省は各地の教育委員会に対し、被害者が児童生徒の場合は懲戒免職とするよう求めている。教員免許状が失効する重い処分だ。その場合、教委が氏名や免許状の種類などを官報に公告すると教員免許法で規定されている。

 だが、県教委が2010年度以降に懲戒免職処分を下し免許が失効した30人のうち、11人について官報に掲載されていないことが判明した。うち8人がわいせつ事案だった。

 単純なミスでは済まされない。懲戒処分から3年経過すれば免許を再取得できる。失効情報が官報に掲載されない場合、処分歴が共有されずに別の地域で教員に採用される恐れがあるからだ。

 掲載されていなかった1人は、那覇市立の中学校で13年、当時3年生だった女子生徒にわいせつ行為をした男性教諭だった。教諭は部活動の副顧問をしており、生徒は1年後に自ら命を絶った。

 このような深刻な事例の処分で適切な手続きが取られなかったことは理解に苦しむ。

 県教委は今月中旬にも官報に掲載したい考えだ。10年度より前の状況なども調査するという。11人の掲載手続きをしなかった理由を明らかにし、再発防止策も公表してもらいたい。

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 わいせつ教員の処分を巡っては、3年で教員免許を再取得できる現行制度を、保護者でつくる団体などが問題視している。

 埼玉県の学校に勤務時、児童ポルノで停職となった後、改名して再就職した愛知県の小学校で児童へのわいせつ事件を起こした事例もあった。

 文科省は免許再取得までの期間を拡大する方向だ。現行の3年を5年に延ばす案が有力だが「永久剥奪」を求める声も根強い。被害者の気持ちを考えれば「二度と教壇に立たせないで」との要求は理解できる。

 職業選択の権利は憲法で保障されている。一方で子どもの安全確保も極めて重い。

 文科省は、まず、懲戒免職処分歴を検索できるシステムの見直しを予定している。これまで直近3年間の情報しか確認できなかったが、来年2月中には40年間に拡大される。

 情報管理を徹底した上で運用すれば、処分歴を隠した教員の採用を防げる。

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 18年度にわいせつ行為で処分された教員は過去最多の282人。被害者の49%が勤務先の児童生徒や卒業生だった。県内では11~20年度の10年間で教職員29人がわいせつ行為で懲戒処分となった。うち21人は児童生徒が被害者だった。

 ただ、表面化した事例は氷山の一角だとされる。周囲に訴えられなかったり、性知識が乏しく被害の認識すらなかったりする子もいるからだ。

 実態はどうなのか。秘密が保持される形での第三者による調査も必要だ。