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日本記録塗り替え優勝も「悔しさ残る」 重量挙げ宮本の飽くなき挑戦

2020年12月12日 13:00

 【新潟県で我喜屋あかね】沖縄勢、記録づくめの日本一。11日、新潟県津南町のニュー・グリーンピア津南体育館で開幕した重量挙げの全日本選手権で、男子は73キロ級で東京五輪のメダルを狙う宮本昌典(沖縄工高-東京国際大出、同大職)が、スナッチ155キロ、ジャーク190キロのトータル345キロを挙げ、スナッチ、トータルで自身の日本記録を4キロずつ塗り替えて優勝した。

男子73キロ級 日本新記録となるスナッチ155キロを成功させる宮本昌典=新潟県のニュー・グリーンピア津南体育館(我喜屋あかね撮影)

男子67キロ級 ジャーク165キロを挙げる糸数陽一

男子67キロ級を制した糸数陽一(左)と同73キロ級優勝の宮本昌典

男子73キロ級 日本新記録となるスナッチ155キロを成功させる宮本昌典=新潟県のニュー・グリーンピア津南体育館(我喜屋あかね撮影) 男子67キロ級 ジャーク165キロを挙げる糸数陽一 男子67キロ級を制した糸数陽一(左)と同73キロ級優勝の宮本昌典

 67キロ級は糸数陽一(豊見城高-日大出、警視庁)がスナッチ130キロ、ジャーク165キロ、トータル295キロで頂点。ジャークとトータルは共に大会新記録を樹立した。55キロ級の玉寄公博(南部工高出、自衛隊体育学校)はトータル215キロで5位だった。

 女子は55キロ級で五輪3大会連続出場を目指す八木かなえ(ALSOK)がトータル186キロで制覇し、49キロ級は高橋いぶき(金沢学院大大学院)が勝った。糸数加奈子(豊見城高-金沢学院大、自衛隊体育学校)はトータル170キロで3位。三宅宏実(いちご)は腰のけがのため欠場した。

 新型コロナウイルス感染予防のため、選手と関係者は体育館が併設された施設に宿泊し、観客を入れずに開催された。

■29キロ差「もっと強く」

 スナッチとトータルで日本記録を4キロ更新しての優勝にも、男子73キロ級の宮本昌典(東京国際大職)は満足していなかった。今年最初で最後の実戦で、目指していたのは東京五輪でメダルを狙えるトータル350キロ。終わってみれば345キロと5キロ及ばず、試合後のインタビューでは「年内で350キロを目標にしていた。届かなかった悔しさが残る」と、真っ先に反省の言葉が口をついた。

 2位に29キロ差をつけての圧勝劇。それでも、約1年ぶりの試合は「1本目から緊張感があり、不安しかなかった」と振り返る。プラットホームでのルーティンはいつも以上に気合を入れ、スナッチは3本全て挙げて155キロを記録した。

 トータル350キロを目指し、ジャーク3本目は自身の持つ日本記録を5キロ上回る195キロに挑戦。練習でも触ったことはないが「案外落ち着いてできた」。失敗したものの、バーベルを肩まで持ち上げることはでき、「差し」さえできれば成功する自信がある。

 昨年12月のワールドカップ以来の出場となった今大会は、本番が近づくにつれて調子も上がり「これならトータル350キロもいける」と臨んだ。それだけに、有言実行できなかったことが悔しい。成長著しい23歳の日本王者は「来年はもっと強くなった自分が見せられるよう頑張りたい」と歩みを止めず、東京五輪の表彰台を見据えている。(我喜屋あかね)

■手応えの大会新

 主戦場より1階級上の男子67キロ級を制した糸数陽一(警視庁)にとって、感謝の思いを再確認できた大会となったようだ。新型コロナウイルスの感染対策を徹底して開かれた今大会。目標重量には届かなかったものの、「たくさんのサポートのおかげで試合ができた」と表情は明るかった。

 優勝記録はスナッチ130キロ、ジャーク165キロ。「スナッチ137キロ、ジャーク171キロに挑戦できたら」と考えていた。そのためには1本ずつ成功させることが必要だが「調整段階でそこまで重量が上がっていなかった」と振り返る。

 スナッチは2、3本目で135キロを失敗。成功した1本目も満点とはいえず、左手で親指を内側に巻き込むように握る「フックグリップ」が抜けていたといい、「握りの改善をしないといけない」と反省する。

 ジャークは2本目で165キロを失敗しながら、3本目で同重量を挙げて大会記録を5キロ更新。2本目を成功できなかった悔しさもあるが、「3本目は逆転にもつながる1本。来年の東京五輪で、逆転する重量に挑戦することにも生きてくるのかな」と手応えもつかんだ様子だ。

 来年3月にはアジア選手権が予定される。トータル300キロを目標に「何が足りないか、失敗から見つめ直したい」と全ての経験を糧にし、東京五輪出場に向けた大一番に挑む。

【男子】

 ▽55キロ級 (1)中越(東京国際大)237キロ(スナッチ107、ジャーク130)(5)玉寄公博(自衛隊体育学校)215キロ(100、115)

 ▽67キロ級 (1)糸数陽一(警視庁)295キロ=大会新(130、165=大会新)

 ▽73キロ級 (1)宮本昌典(東京国際大職)345キロ=日本新(155=日本新、190)

 【女子】

 ▽49キロ級 (1)高橋(金沢学院大大学院)185キロ=大会新(77、108=日本新)(3)糸数加奈子(自衛隊体育学校)170キロ(76、94)

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