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「最後の頼みの綱を失ってとどめ」沖縄の観光業者ショック GoTo全国停止

2020年12月15日 07:44

 新型コロナウイルス感染を抑えるため、政府が観光支援事業「Go To トラベル」を全国一斉に停止する方針を表明したのを受け、県内の観光団体や企業は「今年最後の頼みの綱」としていた年末年始の旅行需要が一気に見込めなくなったと悲嘆に暮れた。キャンセルに伴う全ての損失の補償や資金繰り支援などを求める声が相次いだ。

(資料写真)沖縄県の市街地

 JTB沖縄の杉本健次社長は「年末年始の予約が好調だったのに、今後、キャンセルで半減するだろう。非常にショックだ」と声を落とす。

 県内事業者は通常、ゴールデンウイーク(GW)と年末年始で利益を稼いで、他シーズンのマイナスを埋めているとし、「(緊急事態宣言で)GWがなくなり、最後の頼みの綱も失ってしまう。体力のない事業者はとどめを刺されて、倒産も出るのではないか」と懸念。政府や県に、資金繰り支援の徹底とトラベルキャンペーンの東京五輪までの延長を要望した。

 沖縄ツーリストの東良和会長は「年末年始は大繁忙期で、需要をそがれると非常に厳しい。企業経営や従業員の生活が危機に陥る」と焦燥感を募らせる。旅行代金の35%を補償する現状の対策では「経営が持たない」とし、全額補償を要望。旅行中止でレンタカーや観光ツアーの予約も同時になくなるとし、「キャンセルで生じる全ての損失を補償する対応がなければ経済的な打撃は計り知れない」ときめ細かな対応を求めた。

 県ホテル旅館生活衛生同業組合の宮里一郎理事長は「観光客が徐々に戻り、光が見えてきたところだったのに」と落胆する。感染防止対策を徹底すると共に、関係先への理解を求めて回復の道筋を切り開いてきたとし「さらなる手だてがあるのか、業界を挙げて知恵を出し合い、この難局を乗り越えたい」と話した。

 沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長は、県経済がキャンペーンの恩恵を受けながら徐々に回復してきたと指摘。一斉停止で「主要マーケットが全て影響を受けることになり、非常に苦しくなる」と先行きを不安視する。「来年は東京五輪もある。夏場のトップシーズンに向け、しっかりと市場を回復させたい」と県内観光の先導役として集客策を練る考えを示した。

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