世界自然遺産登録の候補地となっている国頭村安田の北部訓練場跡地で、返還前に米軍が廃棄したとみられる金属製の部品類から放射性物質のコバルト60が検出されたことが15日までに分かった。部品と共にあった布や紙のような物からはポリ塩化ビフェニール(PCB)が検出された。

米軍が投棄したとみられる金属部品類の発見状況の再現。コンクリートで固められた横48センチ、奥行き30センチ、高さ26センチの缶の中に油臭のする部品や布、紙のような物が入っていた=13日、国頭村安田

 どちらも微量で、すぐに人体や自然界に影響を及ぼすレベルではないが、国内では管理や保管、廃棄の仕方が法律で義務付けられており、専門家は「放射性物質の不法投棄」と指摘する。同訓練場の廃棄物から放射性物質が確認されたのは初めてとみられ、世界遺産登録に影響を与える可能性もある。

 部品類が見つかったのは、2016年に返還された同訓練場跡地内のFBJヘリパッド跡。コンクリートで固められ、強い油臭のする朽ちた缶の中に19個の部品があるのを米軍廃棄物の調査をしているチョウ類研究家の宮城秋乃さん(42)が発見した。

 約4センチ四方のH型で、製造会社や個別識別番号とみられる表記があった。宮城さんの調査で部品は通信機器に内蔵されていた米国製の電子管とみられ、コバルト60を含んでいる可能性があることが分かった。

 本紙などが琉球大学の棚原朗教授(放射化学)に測定を依頼したところ、サンプルを変えた2回の測定でいずれもコバルト60のガンマ線が確認された。

 棚原教授は「放射性物質は法律で厳重な管理が義務付けられている。今回の事案は放射性物質の不法投棄に当たる」と指摘する。

 PCBは宮城さんの依頼で名桜大学の田代豊教授(環境化学)が測定。田代教授は「量は少ないが、このような形で投棄されていることが問題。一つあったということはもっとあるかもしれず、また過去にはもっと濃度が高かった可能性もある」と話している。(北部報道部・粟国雄一郎、西倉悟朗)

[ことば]

 コバルト60 元素のコバルトから人工的に作られる放射性物質の一つ。厚さを計る測定器や植物の品種改良、がん治療などに使われるが、線量が強まると人体に悪影響を及ぼす。ウリミバエにコバルト60からのガンマ線を照射し、不妊化、根絶につなげる「不妊虫放飼法」にも用いられた。