2017年12月に宜野湾市野嵩の緑ヶ丘保育園の屋根で米軍ヘリに装着のものと同型のプラスチック製部品(重さ213グラム)が落下した事故で、県警が落下原因について「特定に至らず」との検証結果を発表する見通しであることが16日、複数の県警関係者への取材で分かった。米軍ヘリから落下した可能性は完全に否定されないものの、調査・検証によって事実認定ができなかった格好となる。米軍機の部品落下は日米地位協定に伴い航空法が適用されず、過去の事例同様、米軍側の過失が問われることはない。

米軍ヘリ部品の落下地点を調べる県警捜査員=2017年12月21日、宜野湾市野嵩・緑ヶ丘保育園

 県警の崎原永克刑事部長は16日の県議会米軍基地関係特別委員会で、今年8月に実施した部品落下の検証実験について「分析中で詰めの段階にきている」と答弁した。

 県警関係者によると、原因を特定できなかった主な理由は、米軍ヘリから物体が落下した瞬間の目撃証言やカメラ映像がなかったこと、また米軍側で落下したものと同型の部品の欠損、紛失が認められなかったことが挙げられるという。

 米軍ヘリ以外の可能性も調べるため現場周辺の防犯カメラを精査し、不審者情報の洗い出しもしたが事件性をうかがわせるものは見当たらなかった。最後の検証作業として県内の警察施設で米軍ヘリが保育園上空を飛行していたと推定される高度200メートルから部品が落下したと仮定し、落下状況と同じ衝撃を再現する実証実験を行った。

 米軍は保育園への落下物についてCH53E大型輸送ヘリの部品と同型のものと認めたものの、「離陸前に全て取り外していた」ことを理由に関与を一貫して否定。また、日米地位協定に伴う航空法第89条(物件の投下)の適用除外もあり、罪状を問えない県警はヘリに搭乗していた米軍関係者の聴取もできなかった。

 米軍が落下事故への関与を否定したことで、緑ヶ丘保育園には「自作自演」などと誹謗(ひぼう)中傷が相次いだ。園の保護者らでつくる「チーム緑ヶ丘1207」と同園の神谷武宏園長が県警に対し原因究明を求めていた。