政府は21日の閣議で2021年度予算案を決定した。内閣府沖縄担当部局の沖縄関係予算は3010億円。4年連続で同額に据え置かれた。

 県や市町村にとって使途の自由度が高い一括交付金は981億円。7年連続の減額となり、初めて1千億円を割った。総額も含め県にとって「厳しい」予算となった。

 一括交付金は、沖縄振興特別措置法に基づく沖縄独自の制度。県と市町村が協議して配分し、従来の補助制度では展開が難しかった事業も進められるようになった。

 離島振興や雇用、福祉など幅広い分野に活用でき、沖縄の自立に向けた施策を支えている。内閣府も「沖縄振興に重要な役割を果たしている」と評価していた。

 その一括交付金が14年度の1759億円をピークに減額され続けている。

 今回、政府は「過去の実績の推移などを勘案した」としているが十分な説明ではない。なぜ減額する一方なのか国は明確に示してほしい。県もきちんと問うべきだ。

 対照的に、増額されたのが県を通さず市町村に直接交付する特定事業推進費である。20年度より30億円増えて85億円となった。予算を通した国の統制が次第に強まってきている。

 政府は特定事業推進費を「一括交付金(ソフト交付金)を補完」するとの位置付けを示している。なぜ県が求める一括交付金を減額し、補完のための予算は増やす必要があるのか納得がいかない。

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 沖縄関係予算には新規事業として、コロナ対応に配慮した新たな観光サービス開発支援事業が盛り込まれた。ワーケーションを含めた観光需要の喚起を目指すという。

 県民待望の首里城復元についても、正殿に使う木材の調達や防火設備を設置するとした。西普天間住宅地区跡地への健康医療拠点の整備も引き続き進める。

 ただ、期待された現振計「沖縄21世紀ビジョン基本計画」の総仕上げにつながる事業は見当たらない。次につながるプロジェクトがないのだ。

 子どもの貧困への対策事業も、コロナ禍を踏まえ支援体制の向上に取り組むとしているものの予算額は前年度並みとなっている。

 一方で気になるのは沖縄科学技術大学院大学(OIST)への補助金190億円だ。OISTの経費を沖縄予算に含めることには当初から疑問の声があった。沖縄関係予算を圧迫していることに県民の理解が得られるか立ち止まって考える必要がある。

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 21年度は21世紀ビジョン計画の最終年度であり、翌年には復帰50年の節目を控える。さらにコロナ禍で落ち込んだ経済の再生を図る極めて重要な1年となる。

 沖縄の特性を生かし、自立型経済や暮らしやすい社会をどう構築するか考えなければならない。

 この機会に長年続いてきた高率補助や優遇税制、一括計上の予算の在り方、「沖縄振興予算」という国の呼び方も含めて徹底的に議論し、未来を描くための「答え」を探るべきだ。