神の島の「しめ縄」-。久高島(沖縄県南城市)のお年寄りたちが昔の生活品「ガンシナ」に装飾を施してオリジナルの正月用しめ縄として制作し、販売している。手掛けるのは島の神事「イザイホー」を経験した80代の11人。「みんなで作るのは楽しいよ。たくさんの人たちの平和と健康のため、祈りを込めている」と朗らかな表情で口々に言う。(南部報道部・松田興平)

久高島のお年寄りたちが島産の植物で手作りした「ガンシナ注連七輪」

「ガンシナ注連七輪」を制作するため、草を選別する久高島のお年寄りたち=16日、南城市知念

久高島のお年寄りたちが島産の植物で手作りした「ガンシナ注連七輪」 「ガンシナ注連七輪」を制作するため、草を選別する久高島のお年寄りたち=16日、南城市知念

 島の伝統や知恵の継承を目的として活動する久高島結回(ゆいまある)の会(西銘喜久会長)が「ガンシナ注連七輪(しめなわ)」と名付けた縁起物を昨年から制作し、県内外から受注している。

 今年は限定100個の予定で作る。神聖な儀式を経験したお年寄りたちによる手作り品を、祈りの尊さと共に地域内外へ広めることが目的。

 原料は久高島で育った植物。クマタケラン、マカヤー(チガヤ)、レモングラスの草をわらにして束ね、頭上に荷物を載せて運ぶときに用いたドーナツ状の民具、ガンシナを制作。その後に小豆、麦などによる装飾まで手作業で施して仕上げる。週2回集まり、会話も楽しみながら丁寧な手つきでわらを扱う。

 内間ツルさん(88)は「いろんな所から注文が来ると聞いている。しっかり祈りを込めているよ」と顔をほころばせた。

 同会副会長の古堅苗さん(65)は作業の流れを仕切りながら、お年寄りたちから島の歴史、神事などについて学んでいる。「しめ縄は、久高のおじぃとおばぁたちの自然や命、神への祈りを形にしたもの。多くの人々が手にして、島に根付く思いをくみ取ってもらえたら幸い」と語った。