がんで苦しむ子どもたちに何かしてあげたい-。少年院を出所し、重量物の搬入をする会社「金一重量」(沖縄県西原町)で働く男性(21)=同町=が初めての給料で、小児がんで苦しむ子どもたちにクリスマスプレゼントとして、1万円分の絵本や人形などを贈った。男性は「プレゼントを受け取った子どもたちが笑顔になってくれたら」と話す。(社会部・比嘉大熙)

男性や社員から集まったクリスマスプレゼン=西原町安室・金一重量

 同社は社会貢献活動として、社員や企業から集まった段ボール4箱分のプレゼントを公益財団法人「がんの子どもを守る会」(本部・東京)へ贈った。同会を通じて全国57カ所の小児科病棟に入院中や在宅療養中の子どもたち約2千人に届けられた。

 「闘病で頑張っている子どもや親たちが少しでも笑顔になってくれたら」と考えた金城博之社長(46)が社員へ協力を呼び掛けたところ、男性はおもちゃを袋一杯に入れて持ってきた。

 男性は7人きょうだいの長男。「もし自分の弟や妹が同じ境遇だったら」。小児がんで苦しむ子どもたちの姿を幼い弟や妹と重ねて、居ても立ってもいられなくなり、すぐにおもちゃを買いに行ったという。

 無免許運転で複数回捕まり、少年院に入所した。運転免許を持っていないため、同町内にある会社に住み込みで働き、家族とは離れて暮らす。簡単に会うことができず、月に1度、地元に帰り、家族と食事をするのを楽しみにしている。

 金城社長は男性について「真面目に働き、素直でとても家族思い」と話す。入社当初は物静かで不安そうだったが、ひたむきに仕事に取り組んだ。車での通勤ができない男性の住居としてプレハブを借り、会社の敷地内に設置した。

 男性は、仕事が終わって他の社員が帰宅後も、重機の免許取得を目指し、遅くまで操作を練習し、毎月の給料から10万円を貯金している。いつか家族と暮らす家を買うためだ。男性は「次は家族へ家をプレゼントしたい」と恥ずかしそうに夢を語った。