米軍普天間飛行場のある宜野湾市や北中城村、浦添市の住民4182人は25日、同飛行場から派生する爆音で健康被害などを受けたとして、航空機騒音の差し止めや損害賠償を国に求める「第3次普天間爆音訴訟」を那覇地裁沖縄支部に起こした。1、2次訴訟判決で「違法な爆音」と認定されつつも根本原因となる米軍機の飛行が制限されない現状に対し、3度国の責任を問う。

「静かな日々を返せ」と訴え、行進する第3次普天間爆音訴訟団の原告ら=25日、那覇地裁沖縄支部

■第1次提訴の約20倍

 原告数は1次訴訟提訴時の約20倍で過去最多。普天間第二小の米軍ヘリ窓落下事故などを受け、子育て世代が多いのが特徴だ。3月に2次提訴を予定しており5千人以上を目指す。

 午後10時から翌午前6時までの夜間・早朝は一切の航空機騒音の禁止、午前6時から午後10時までは65デシベル以下の騒音とするよう求め、事実上の米軍機の飛行差し止めを目指す。

 賠償請求額は1人当たり月額3万3千円。判決確定から1年間の将来分も求める。総額は少なくとも約68億円を見込んでいる。

 島田善次原告団長は「1、2次で飛行差し止めが認められず、静かな日々が実現していない。不条理を打破するために立ち上がった」と提訴の趣旨を説明した。

 岸信夫防衛相は同日の会見で「これまで以上に国の主張を十分に尽くしていく」と説明した。

■訴え不変「騒音なくせ」

 「静かな日々を返せ!」。2002年の第1次訴訟の時から変わらない横断幕が、那覇地裁沖縄支部に広げられた。米軍普天間飛行場周辺に住む4182人が25日、夜間・早朝の飛行差し止めなどを国に求める「第3次普天間爆音訴訟」を起こした。

 原告や弁護団は、那覇地裁沖縄支部の入る庁舎のドア前で横断幕をたたむと一声、「頑張ろう」。訴状を風呂敷に包み持ち込んだ。これまで、提訴時は集会を開いてきたが、ことしは新型コロナの影響で断念。訴訟団の幹事や弁護団などに絞り、約30人が集まった。

 原告に加わった宜野湾市普天間の横田チヨ子さん(92)は、18歳でサイパンから沖縄に引き揚げ、はだしで芋を売り歩いた。「どうにか生き抜いたのに、国はいまだに沖縄を顧みない。司法の立場から、力を貸してください」と訴えた。

 第1、2次訴訟にも参加した宜野湾市嘉数の原告の女性(79)は「これだけ裁判しても、基地被害はますますひどくなっている。だまっているわけにはいかない。お金の問題ではなく、爆音差し止めが認められるまで行動を続けたい」と語気を強めた。

 副団長を務める市新城の比嘉博さん(69)は、原告の過半数を40代以下が占めたことに「子育て世代にも、日ごろから鬱積(うっせき)したものがある」と代弁。緑ヶ丘保育園と普天間第二小に米軍ヘリの部品が落ちた3年前の事故に触れ「騒音だけではなく、飛ばさないようにしないと意味がない。住民が追い込まれていることを分かってほしい」と話した。