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家賃払えず退去、仕事が見つからない・・・ 増える生活困窮者 対応急ぐ沖縄の自治体

2020年12月27日 09:10

 コロナ禍で生活苦に陥り、自治体の自立相談支援機関へと駆け込む人が急増している。影響が長引く中、生活を立て直せないまま、国の緊急支援策の利用期限が切れる人も目立ってきた。行政が連休に入る年末年始に生活困窮者を路頭に迷わせないよう、沖縄県の石垣市名護市は臨時の窓口開所を決定(名護市は1月1、2日は休み)。他の自治体も食料備蓄や緊急対応の態勢整備を急いでいる。(社会部・篠原知恵)

年末年始を前に備蓄食料を整理する相談支援員の和田聡さん=25日、那覇市泉崎の県就職・生活支援パーソナルサポートセンター南部支所

生活に困窮したら 自立相談支援機関の相談先

年末年始を前に備蓄食料を整理する相談支援員の和田聡さん=25日、那覇市泉崎の県就職・生活支援パーソナルサポートセンター南部支所 生活に困窮したら 自立相談支援機関の相談先

 年末年始の全期間、石垣市は職員が輪番で困窮や生活保護の相談対応に当たる。家賃を補助する住宅確保給付金の支給決定は例年10件前後だが、今年は4~11月で300件近くに上った。担当者は「マッサージやマリン関係、ブライダル、レンタカー、タクシーなど島内の多様な業種に影響が波及している」と危機感を募らせる。

 ある市では住居のない人に衣食住を提供する一時生活支援事業に頼る人が昨年比で倍増した。「収入減で家賃を払えず、住宅確保給付金も間に合わずに退去させられた」「県外で雇い止めに遭い帰郷したが、住まいも仕事も見つからない」という人が多い。市内の1泊千円のゲストハウスは春夏に住まいを失った人の宿泊が急増し、数カ所で満室状態が続いた。

 一方で、収入の安定が見通せないまま、住宅確保給付金や生活福祉資金の特例貸し付けといった国のコロナ支援策の利用期限を迎える人も出始めた。

 住宅確保は最長9カ月間(原則3カ月)。さらに3カ月延長できるが「人によってハードルが高い」(相談員)。例えば飲食・観光関連の自営業者。事業の継続を望んでいるために延長の条件である再就職活動ができず、困窮状態でも打ち切りとなるケースが出ている。生活福祉資金(総合支援資金)の特例貸し付けも最長6カ月間(原則3カ月)の期限が設けられている。

 本島中部の相談支援員は「一時的な緊急支援策でしのいできたが、対応が詰まってきた。支援策が切れるこれから先こそが不安で、さらなる緊急支援策の拡充が急務だ」と強調。南部の支援員は「困窮に加え、先の見えない状態が延々と続いている相談者の精神的な不調が心配だ」と訴えた。

 最後のセーフティーネットには、生活保護制度がある。厚労省は22日から公式ホームページで「生活保護の申請は国民の権利」として「ためらわずに相談を」と呼び掛け始めた。

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