水の里の大切さと魅力を感じられる旅の企画を募集する国土交通省の「水の里の旅コンテスト2020」で、沖縄県石垣市の平田観光(大場喜満社長)が応募したツアーが優秀賞と特別(絶景)賞を同時に受賞した。ツアー名は「神々のお膝元 浦内川流域に生きる人々と水の歴史」。竹富町西表島でカン(神が)ピレー(座る)の滝などがある浦内川流域を舞台に、神々にまつわる伝承や旧集落の歴史を案内しながら散策する内容。水と関わるストーリー性をうまく盛り込んだことなどが評価された。

ツアーコースの「雨乞い岩」(提供写真)

賞状をPRする(左から)大場喜満社長、ガイドの平良彰健さん、豊川和代さん=22日、石垣市役所

ツアーコースの「雨乞い岩」(提供写真) 賞状をPRする(左から)大場喜満社長、ガイドの平良彰健さん、豊川和代さん=22日、石垣市役所

 22日、大場社長らが八重山ビジターズビューロー(YVB)会長の中山義隆石垣市長を市役所に訪ねて報告した。「従来のトレッキングツアーに、歴史というストーリー性を乗せたらより魅力的になるのではと思った。審査員から、コロナ収束後に八重山地域の観光需要は回復するだろうとの力強い言葉も頂いた」と喜びを語った。中山会長は「明るい話題。収束後の起爆剤になる」と称賛した。

 コースには1969年に洪水で廃村になった「旧稲葉集落」が組み込まれている。浦内川河口から6キロの所にあり、15世帯ほどが暮らしていたという。

 現地ガイドを担う予定の「浦内川観光」の平良彰健さんが同集落出身のため、平田観光としては初のコース化が実現した。平良さんは集落跡に土地を所有しており「里山をつくり、イリオモテヤマネコの餌場にしたい。ツアー客が体験する場、歴史に触れる場にしていきたい」と意気込んだ。

 企画を手掛けた同観光の豊川和代さんは「地域には歴史、物語、人の暮らしがある。ツアーを通して、それらをつなげたい。今回は平良さんの思いをくみ取ることができたことが受賞につながったと思う」と話した。ツアーは来年4月開始の予定。