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「感染は食事中の大人から」「公園の閉鎖は効果なし」正月休み 子どもの感染どう防ぐ?

2020年12月28日 06:47

 新型コロナウイルス禍での子どもの遊びを考える勉強会(主催・NPO法人沖縄県学童・保育支援センター)が18日、那覇市の国場児童館であった。講師を務めた県立中部病院感染症内科の高山義浩医師は「子どもの状況や家庭のリスクに応じた多様な感染対策が必要だ」と強調。子どもに関わる現場の職員ら約10人が参加し、具体的な事例を踏まえながら対応策を学んだ。屋内外での活動について、ポイントを紹介する。

新型コロナウイルス感染拡大防止の為、閉鎖される遊具=4月、沖縄市・県総合運動公園

新型コロナウイルスへの感染リスクの考え方

子どもと関わる現場でのコロナ対策について解説する高山義浩医師=18日、那覇市・国場児童館

新型コロナウイルス感染拡大防止の為、閉鎖される遊具=4月、沖縄市・県総合運動公園 新型コロナウイルスへの感染リスクの考え方 子どもと関わる現場でのコロナ対策について解説する高山義浩医師=18日、那覇市・国場児童館

 小児の新型コロナ感染について、高山医師は「感染しやすさは成人と変わらないが、子どもからの感染力は低い」と説明。インフルエンザの流行と異なり学校での集団感染は少なく、家庭内で保護者から感染している例が多いという。

 無症状や発症から1日以内で治ることが多く、重症化することはほとんどない一方、2歳未満や基礎疾患のある子どもは重症化の恐れがあり、気を付ける必要があるとアドバイス。

 また、保育施設での集団感染の例を挙げ「食事の時間など職員がマスクを外す場面で、大人から子どもに広がった可能性が高い。職員に発熱などの症状を認めるときはPCR検査をしている医療機関を受診することで、その後の迅速な対応につながる」と解説した。

■換気や食事注意

 県学童・保育支援センターが県内の児童館や放課後児童クラブなどに実施したアンケートでは、回答のあった62件のうち75・7%が屋内での遊び方に困っていると回答。「子ども同士の距離を保つことが難しい中で、どう対策すべきか」という声が多かった。

 高山医師は、注意点として「定期的に換気ではなく、常に少しだけ換気を心掛けることが大切」と助言。扇風機の活用は、部屋の内側にいる子どもに向けて風を送るとむしろ感染リスクになるとし、外側に向けて換気扇のように室内の空気を逃がすことが正しい方法だと説明した。

 食事については、大人からの感染リスクが高いことを踏まえ「子ども同士で食べるのは構わないが、できれば職員や高校生以上の大人は別にした方がいい」と提言。難しい場合は、少人数に絞って大人が食事中に話さないよう気を付けるなどしてリスク軽減を図ることが大切とした。

■屋外リスク低い

 子どもの屋外での活動については「基本的にマスクは着けなくてもよい」としつつ、多人数の密集は避けるべきだと指摘。公園の閉鎖や利用制限に関しては、公園以外にも子ども同士が接触する可能性は十分あり「子どもたちが一緒に遊ぶことを認めている中で、公園だけを禁止することには意味がない」と話した。一方、宿泊を伴う行事や友人の家に上がるなどの行為は感染リスクが高まるとして注意を促した。

 高山医師は「基礎疾患のある子や、一律に対策が難しい発達段階にある子、高齢者と同居している子などさまざまなケースがある。子どものリスク状況に応じた多様な感染対策を取りながら、活動していくことが大切」と訴えた。

 参加したコスモストーリー保育園(うるま市)の天願順優園長は「食事を小グループにしたり、運動会もそれぞれの遊び場の様子を動画配信するなど、今までの保育を見直す機会になった。制限がある中でも活動を工夫したい」。国場児童館(那覇市)の山崎新館長は「ムーチーなど季節のおやつ作りができるか悩んでいたが、加熱で殺菌されることや手洗いの徹底、配膳の際に飛(ひ)沫(まつ)を防止するなど専門家のアドバイスを聞けて安心した。食育も大切な活動の一環なので、対策して取り組みたい」と話した。

 ももやま子ども食堂(沖縄市)の菅原耕太主任は「不安の中で遊びや活動を縮小し、子どもの成長や楽しみを奪う方向ではいけない。一人一人に合った対策を考えながら現場に落としていきたい」と語った。

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