社説

社説[コロナ猛威] 耐えた1年 来年こそは

2020年12月31日 08:19

 道行く人が皆、マスクを着け、「密」を避けるために人と人の距離を空ける。自宅などでのテレワークやオンラインでのやりとりが一気に浸透した。1年前、今の状況を誰が予想できただろうか。

 中国当局が湖北省武漢市で「ウイルス性肺炎」の発症者が出たとして、新型コロナウイルス感染症の発生を初公表してから、きょうで1年がたつ。日本国内での初確認は1月15日。今や、国内感染者の累計は23万人を超え、3千人超が命を落とした。

 県内で初めて感染が確認されたのは2月14日。那覇港に寄港したクルーズ船から下船した客を乗せたタクシー運転手だった。今思えば、クルーズ船の防疫態勢に焦点が当たった議論は、問題の全体像を捉えられずにいた。

 その後は、息つく暇もないほどの勢いで全国各地に感染が広がり、対策に追われた。

 2月末に、政府が唐突に打ち出した全国の小中高校の一斉休校。4月7日に東京など7都府県に緊急事態宣言が発令され、9日後には全国に拡大された。

 沖縄県も4月と8月に独自の緊急事態宣言を出し、飲食店や遊興施設を中心に休業要請がされた。業績悪化に伴う解雇・雇い止めも相次ぐ。生活への不安は解消されていない。患者受け入れの病床が埋まるなど、医療現場への逼迫(ひっぱく)も続いている。

 本格的な冬を迎え、感染力が強いとされる変異種が各国で確認されている。事態は目まぐるしく変化している。苦しむ人々へ手を差し伸べる機敏な対応が不可欠だ。

■    ■

 政府は、変異種の国内流行を防ぐため、全ての国・地域から外国人の新規入国を一時停止した。新型コロナ特別措置法の改正についても、来年の通常国会で1月中にも成立させたい考えだ。慣例だと、法案審議は予算成立後だが、今回は特例で前倒しして優先的に処理する方針という。

 改正法案は、各都道府県知事が行う店舗の休業や営業時間短縮の要請に関し、応じない場合の罰則の導入や、協力者への財政支援の在り方が焦点となる。

 現在の特措法は、休業や時短要請に強制力はなく、協力金の支払いなど支援の裏付けもない。今回の改正は、全国知事会などが効果的な対策に向けて要望してきた内容であり、速やかに審議入りして成立を図るべきだ。

 一方、罰則については、私権制限につながることでもあり、慎重さが必要となる。

■    ■

 コロナ禍で迎える初めての年末年始。忘年会や新年会が開けず、帰省も控え、家族や親戚、旧友らと集まり親交を温めることもままならない。1年の中でも特に、互いの絆を再確認する大事な機会が奪われ、我慢を強いられる。「静かな年末年始」に気がめいることもあろう。

 国は、早ければ2月下旬にも医療従事者へのワクチン接種が始まるとしている。その後、国民にも行き渡る。

 私たちの日常は大きく変わった。それでも、一人一人の努力が積み重なれば、再びあの日常を取り戻せると信じたい。

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