新型コロナウイルスの影響で活動自粛を余儀なくされる中、沖縄県嘉手納町老人クラブ連合会でユーチューブを使い、ヒップホップダンスを指導した前川萌さん(21)。ダンス歴は8年で、大学2年からインストラクターとして活動していたが、高齢者の指導は初めてだった。不安の中、自宅で動画を見て一生懸命に練習し、流行の洋楽に乗せて楽しんで踊る高齢者に「やってみてよかった」と笑顔を見せる。

受講生と対面で振り付けを確認する前川萌さん(右)=嘉手納町水釜・町総合福祉センター

撮影から編集まで工夫を凝らしたレッスン動画を見せ「みんなが楽しく興味を持って踊ってくれたのがうれしい」と話す前川萌さん

受講生と対面で振り付けを確認する前川萌さん(右)=嘉手納町水釜・町総合福祉センター 撮影から編集まで工夫を凝らしたレッスン動画を見せ「みんなが楽しく興味を持って踊ってくれたのがうれしい」と話す前川萌さん

 沖縄国際大学で社会福祉を学び、町社協で現場実習をした縁で声が掛かった。本来は対面での講習を予定していたが、コロナ禍で困難に。そんな中、担当者からユーチューブでレッスン動画の配信を提案された。

 動画では大きめの文字でテロップを付けて分かりやすい説明を心掛けた。振り付けも「ここでピースのポーズ」「綱引きのように」などイメージしやすい言葉に代えるなど工夫した。

 昨年9月に受講生の代表5人と初めて対面で指導。12月には14人が参加し、一緒に振りを確認した。「最初は高齢者とダンスってかけ離れたイメージを持っていた。難しい振り付けもあったが、みんな楽しく興味を持ってやってくれたのが一番うれしい」と語る。受講生と共に、集大成として3月にユーチューブでダンス動画の公開に向けて取り組む。

 活動を通して「福祉とダンスを組み合わせ、子どもから高齢者、障がい者まで誰もが楽しく踊りやすいダンスレッスンをしたい。そんな事業を立ち上げたい」と漠然と抱いていた夢が明確になった。「好きなダンスが地域貢献につながった。同世代にも趣味や好きなことで地域に関わっていけると伝えたい」と意気込んでいる。(中部報道部・大城志織)

「何もやらなかったら進まない」

 オンラインでダンスのレッスン動画を見て、練習してきた受講者から「コロナ期間の自粛中、ずっとこの動画見て楽しんで踊っていたよ」と言われたのがうれしかった。実は最初、ダンスと高齢者の間には壁があるような感じがして不安だった。高齢者にレッスンをするよ、と言った時に周囲からは「スマホの操作はできるの?」「大丈夫?」と言われたこともあった。

 けれど、何もやらなかったら進まない。コロナ禍だけど若い世代はリモート飲みや、「リモート〇〇」ができるから大丈夫って言われていたけど、じゃあ高齢者の方は?って気になっていた。外に出られず不安や暇になるよりは、ダンス動画を見て、練習して元気になってくれたらと思っていた。実際に楽しく踊る姿を見て「ダンスって難しいだけでなく楽しい」って興味を持ってくれて、やってよかったなと思った。3月のダンス動画配信に向けて、みんなで楽しみながら頑張っていきたい。