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今年こそ五輪があると信じて‥‥重量挙げ糸数と宮本 それぞれの決意

2021年1月2日 13:36

 1年間の延期期間を経て7月23日、東京オリンピックが開幕する。4年に1度の大舞台を目指してきた選手たちはコロナ禍で何を考え、どう過ごしてきたのか。今春、アジアで五輪出場に向けた大一番を戦う沖縄県出身アスリートの、東京五輪に懸ける思いを聞いた。(運動部・我喜屋あかね)

東京五輪開催を信じ「さらに大きくなった自分を見せたい」と語る男子61キロ級の糸数陽一=2020年12月11日、新潟県のニュー・グリーンピア津南体育館 東京五輪での表彰台を目指す男子73キロ級の宮本昌典=2020年12月11日、新潟県のニュー・グリーンピア津南体育館

■糸数陽一、リオの雪辱期す

 東京五輪が開催されることを信じ、重量挙げ男子61キロ級の糸数陽一(29)=豊見城高-日大出、警視庁=は黙々とバーベルを挙げ続けてきた。初出場だった2016年のリオデジャネイロ五輪は3位と3キロ差の4位。日がたつごとにメダルを狙わなかった悔しさは増し「五輪でしか晴らせない」と、東京五輪で表彰台に立つため、必死に懸けてきた。

 新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい始めたころ、五輪中止の情報も流れ「リオから4年間、東京五輪を目指してやってきた。中止にはなってほしくない」と不安に駆られた。昨年3月24日、1年の延期が正式に決まって一安心はできた。再び世界各地で新型コロナの感染が拡大しているが、あとは「今年があると信じたい」と願うだけだ。

 延期となった1年間の月日は、糸数にとっては決して簡単に捉えられる数字ではない。「言い訳はしたくない」と前置きしながら、年齢についてはどうしても気にしてしまう。本来なら29歳で迎えるはずだった、4年に1度の大舞台。今年5月で30歳になり、「一年一年がすごく大事。もう一度自分の体を見つめ直したい」と試行錯誤は続く。

 一方で、コロナ禍での収穫もあった。自粛期間中はバーベルが触れず「走ったり、跳んだり」と従来と違うメニューに取り組んだ。その分、本格的な練習が再開できるようになると「重量挙げを始めた頃の気持ちに戻れた。バーベルに触れるありがたさを感じられた」と改めて競技の楽しさに気付けた。

 3月には五輪出場に重要な一戦となるアジア選手権が予定されている。一つ上の階級で出場した昨年12月の全日本選手権とは違って約3キロの減量もあり「さらに過酷な状況」の中での一戦となるが、トータル300キロの大台を目指している。「20年は自分自身もすごく苦しい時期を過ごした日もあった。今年の五輪があると信じ、さらに大きくなった自分を見せたい」と決意を込めた。

 いとかず・よういち 1991年5月、南城市(旧知念村)生まれ。久高中2年の時、同中の宮良三夫教諭の紹介で大湾朝民さんと出会い競技を始める。豊見城高で2年連続の全国3冠。2016年リオデジャネイロ五輪4位。17年世界選手権で日本男子36年ぶりのメダル獲得。

■本気モード突入の宮本昌典

 視線の先には東京五輪のメダルがある。世界ランキング2位以下の混戦が続く重量挙げ男子73キロ級。宮本昌典(23)=沖縄工高-東京国際大出、同大職=は全種目で同階級の日本記録を保持するが、自身の記録には決して満足していない。

 スナッチ、トータルで4キロずつ日本記録を更新した昨年12月11日の全日本選手権。だが試合後、「トータル350キロを挙げればメダルが確実と思って調整してきた。年内に届かず悔しい」と何度も繰り返した。日本記録が目標ではなくその先の、東京五輪での表彰台を目指しているからこその言葉だ。

 8月に学内で開かれた記録会で、スナッチの自己ベスト156キロを成功させた。本来なら東京五輪が開催された時期。延期が決まった当初は「強くなれる期間」と捉えていたが、夏が近づくにつれて気持ちにも変化が表れた。「今の時期は本当ならこうだったんだろうなって。五輪がなくなったことで、心の中でぽっかり穴が空いた」

 2020年の1年間がプラスになった面もある。五輪レースで実戦が続いていたこれまでと違い、大会が続々と中止になったことでずっと抱えていた右肩のけがの治療に専念できた。6月にバーベル練習を再開すると「痛みもなく、思い切っていい練習ができた」と効果てきめん。8月のスナッチの自己ベスト更新につながったと考える。

 新型コロナウイルスによる自粛や大会中止など、「窮屈な1年」を乗り越えて迎える21年の五輪イヤー。年明けには苦手とする下半身の強化を重点的に行うつもりだ。3月のアジア選手権に合わせて、徐々に本番モードに突入する。21年に持ち越したトータル350キロの達成はもちろん、「そこで五輪を確実にしたい」との思いは強い。

 ちなみに、昨年は宮本にとっての前厄で、今年は本厄を迎えることが気になる様子。「もっと腰を深く構えて対処できるようになりたい」と笑いながら、災いや困難も乗り越えてみせる。

 みやもと・まさのり 1997年2月、那覇市生まれ。松川小6年の時、恩師の平良真理さんと出会い、重量挙げの道へ。沖縄工高3年でジャークとトータルの日本高校記録を樹立。現在はスナッチ155キロ、ジャーク190キロ、トータル345キロの日本記録を保持する。

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