◆不思議な巡り合わせ

—— 6曲目は、2002年3月21日にリリースしたアルバム『MUSIC FROM B.Y.G』に収録されている「ボトル二本とチョコレート」。ノリの良いブルースですが、青春の思い出が蘇るノスタルジックな楽曲。汗と涙と酒の味がします

比嘉 高校の時にバンドを組んでいて、盛山達也って言う奴がドラムを担当していました。達也は東京に出て、音楽を続けてました。ぼくらも東京でBEGINとしてデビューして、一緒にツアーを回ったこともあったんですよ。正式に達也に「おまえもうメンバーに入れ」と話したら、彼は「おまえたちは3人でBEGINだから、俺が入ってはいけない」と頑なに断られました。達也はそれからしばらくして白血病で若くして他界しました……。この歌は、彼のお通夜の時に東京にいる仲間がみんな集まったときの風景なんです。ボトル二本とチョコレートがあって、酔っ払うでもなく呑んでて、「なんかあの時楽しかったな」という思い出が歌になったんです。歌の最後の部分で図らずもコール・アンド・レスポンスのようになって……。巡り合わせというのは不思議だなと思います。

—— 2002年7月3日にリリースしたヒット曲満載のモンスター・アルバム『ビギンの島唄 〜オモトタケオ2〜』。このアルバムの中からまずは、「島人ぬ宝」

『ビギンの島唄~オモトタケオ~2』2002年7月3日発売

上地 日本復帰30周年に向けて、石垣島の中学生が表現した島への思いを基に誕生したのがこの歌。僕らの同級生だった石垣史昭さんが担任を務めていた中学校の生徒に詩や作文を書いてもらいました。そのなかに、「自分のばーちゃんが宝です」とか「この島が私の宝ものです」とか、「宝」という言葉がたくさん出てきたんです。その「宝」をキーワードに歌を仕上げました。


比嘉 この出会いがなかったら「島人ぬ宝」はなかったよな。

—— 今や沖縄の宴会は「ありっ乾杯」でスタートするくらい、沖縄県民に定着した「オジー自慢のオリオンビール」

『オジー自慢のオリオンビール(エイサー・バージョン)』2003年2月20日発売

島袋 僕らはデビューからしばらくはずっと東京に住んでいて、沖縄に帰る度にオリオンビールのCMとか見てました。「いつかBEGINでもやらしてもらえたらいいな」と話してて、実現したのが「オジー自慢のオリオンビール」です。ちょうど、最近オリオンビールの方とこの曲の話をしてたんです。最初、この曲を提出した時のリアクションがいまいちだったんです。オリオンさんは、BEGINに対して洋楽的な爽やかなイメージを求めてたみたいで。一旦、「これ、どうなの?」的な話になったんですが、オリオンさんの社内で、若手のみなさんが「この曲はヤバイよ」って盛り上がってくれていたそうです。自然発生的に盛り上がって「オジー自慢」に決まったという話を聞いて、とても嬉しかったです。

◆冗談かと思ったら‥‥

—— 沖縄で毎年開催されている沖縄国際映画祭のテーマソングとなっている「笑顔のまんま」(BEGIN with アホナスターズ 2009年1月7日リリース)

上地 明石家さんまさんが司会を務めたフジテレビの『FNS27時間テレビ!! みんな笑顔のひょうきん夢列島!!』(2008年7月26日 ー 7月27日放送)の深夜コーナーの中で、「番組のエンディングテーマを作ってくれまっか」と依頼されたのがキッカケです。はじめ僕は、冗談かと思いました(笑)。それに乗った優がいて、「できますよ」って(笑)。

比嘉 歌のメロディーのベースは優が担当、僕がそれを曲としてまとめて、等がアレンジするっていう、完全分業で作ったな。で、一回だけリハやって、番組の本番で歌ったな(笑)。

島袋 半日で一番はできたけど、それから二番を作って発売するまでに2〜3か月かかったんですよ(笑)。

—— 10曲目は、2015年10月28日にリリースされたアルバム『Sugar Cane Cable Network』にカバー収録されている「海の声」。今や新しい沖縄の定番曲となりました

『Sugar Cane Cable Network』2015年10月28日発売

島袋 マネージャーから「au のCMソングの話が来てる。締め切りまで1週間しかないけど……」って話が来たんです。その時に絵コンテを見たら、浦島太郎が三線もって海を見ながら座って歌を歌ってる。すごく感動したんです。沖縄の楽器が、これだけポピュラーになったのかと。だから、すぐに「やりたい」と答えました。これだけみなさんに愛される歌になるとは想像もつかなかったです。友達の店とか行っても、必ず誰かが歌ってくれてるみたいな……。それ聴くと、「こそばゆいけど嬉しい」みたいな気持ちがありましたね。