うるま市の養豚場で2020年1月に豚熱(CSF)発生が確認されてから、8日で1年。3月までに10農場で、計1万2381頭の豚が殺処分された。県は10農場のほか、移動・搬出制限を受けた68農場を対象に、損失を補填(ほてん)する「手当金」の申請を受け付けているが、支払いが済んだのは殺処分の対象となった10農場のうち8農場のみ。残る70農場には支払われていない。

消石灰をまく防護服姿の作業員=2020年1月8日、うるま市(田嶋正雄撮影)

 手当金は県が農家の前年度出荷実績や豚の購入費などを基に算出し、その結果を国とチェックして支払う。被害額の大きい発生農場を優先して対応しているが、対象の農家数が多く作業に時間がかかっている。

 支給が遅れている豚熱発生農家は「経営再開に必要な経費や人件費で赤字が続き、銀行からの借り入れが膨らむばかり。手当金がなければ夏場まで持たない」と窮状を訴えている。

 一方、10キロ圏内の移動・搬出制限を受けた68農場は今も手当金を受け取っていない。出荷制限を余儀なくされたうるま市と沖縄市の複数の農家は県から、市場に出回る豚が少なくなり「価格が上昇し損失が出ていない」などの理由で、支給対象外とされたという。

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