沖縄タイムス+プラス ニュース

「金に困って」勧誘? 不正受給の起点か 沖縄のコロナ給付金詐欺 税理士を逮捕

2021年1月8日 11:42

 沖縄県警特別捜査本部は7日、国の持続化給付金100万円をだまし取ったとして、那覇市の税理士・行政書士の男(51)を詐欺容疑で逮捕した。共謀したとして、那覇市の会社役員の男(54)、妻で自営業の女(53)両容疑者=いずれも別の詐欺罪で起訴済み=を同容疑で再逮捕した。持続化給付金を巡る詐欺事件で現役税理士の逮捕は全国初とみられる。

捜査員に連行され、車両に乗り込む容疑者(右)=7日午前8時半ごろ、那覇市内

コロナ給付金詐欺事件の関係図

捜査員に連行され、車両に乗り込む容疑者(右)=7日午前8時半ごろ、那覇市内 コロナ給付金詐欺事件の関係図

 県内の詐欺事件での逮捕者は税理士が5人目。これまで逮捕された4人は、同容疑者の税理士事務所でうその内容で申請手続きを済ませており、同事務所を起点に不正受給が広がった可能性が高い。捜査本部は億単位に上るとみられる代行手数料が、反社会的勢力へ流れなかったか引き続き捜査を続ける。

 7日の逮捕容疑は昨年5月9~19日、県内在住の女と共謀し、確定申告や売り上げ台帳に虚偽の職業や売上金を記載。女名義の口座に給付金が振り込まれるよう申請し、100万円をだまし取った疑いがある。口座名義の女は詐欺容疑で書類送検された。

 県警は捜査に支障があるとして逮捕した3人の認否を明らかにしていない。

 7日午前、捜査本部は容疑者の自宅や那覇市久米の税理士事務所を家宅捜索した。8日に那覇地検へ送検する。

■口コミで広がり事務所に行列

 逮捕された税理士を知る人物によると、複数の知人や元顧客から借金を重ね、資金難に陥っていたという。「お金に困っていて、そこに持続化給付金の話が舞い込んだ。手っ取り早く稼げると思ったんだろう」

 昨年5月に持続化給付金制度が始まると、税務処理で面倒を見る飲食店関係者に電話し、申し込みを募ったという。口コミで瞬く間に広がり、事務所前に列をなして手続きを待つ飲食業関係者が目撃されている。

 ある飲食店オーナーは同容疑者から電話で誘われ、税理士事務所で手続きを済ませ、手数料として15万円を支払った。その時、容疑者の隣にいた会社役員の容疑者から「従業員でも給付金申請ができる」と言われたが、思いとどまった。

 同容疑者は2009年に税理士事務所を開業。17年ごろに現在の那覇市久米の事務所に移り、同じ関西出身の会社役員と知り合った頃から「怪しげな人が事務所を訪ねるようになった」と知人は話した。

 <関連記事>捜査は本丸へ 反社会勢力の関与を追及

 <関連記事>信じ難い膨大な件数「何らかのからくり」用意か

<情報を募ります>

沖縄タイムスは新型コロナウイルスに関する持続化給付金など、公的支援制度の不正受給問題の取材を進めています。不正受給に関する情報を広く募ります。

>>記入フォーム

連載・コラム
記事を検索
アクセスランキング
ニュース 解説・コラム
24時間 1週間