2019年3月に開設された陸上自衛隊宮古島駐屯地。10日告示された宮古島市長選の2候補者はいずれも陸自配備を「容認」しており、「反対」を訴える候補者はいない。自衛隊基地近くの住民は今回の市長選をどう見ているのか。自宅を訪ね、聞いてみた。

陸上自衛隊の配備について「反対」を示す候補者が不在の中、告示された宮古島市長選。ポスターが掲げられた奥には宮古島駐屯地の施設が広がる=10日、宮古島市

 宮古島市上野野原の一部の民家は、航空自衛隊と陸上自衛隊の各駐屯地に挟まれるように建っている。「陸上自衛隊配備反対」。周囲にはこう書かれたのぼりが立てられ、市長選に関するのぼりもいくつか掲げられていた。

 「(陸自配備を)反対する候補者が出てほしかった」。サトウキビ農家の男性(70)は、そう漏らす。陸自宮古島駐屯地は生まれ育った地元の景色を変え、恩恵もないまま占拠し続けている。「基地には反対。今回の市長選は、自衛隊以外の政策で判断するしかない」。

 サトウキビ農家の高江洲明さん(62)は「1度造られた基地をなくすことは簡単ではない」としつつ、住民への説明の徹底を求める。一般住民には、基地内で何が起きているのか分からない。「説明責任を果たし、市民と対話ができる候補者がどちらなのか見極めたい」と力を込める。

 会社員の50代男性は「基地反対」を言い続けても変化がないのであれば、代わりに雇用やインフラ整備を要望したい、と言う。「市民の声を聞いてくれる市長となるのかどうか。そこを見て選びたい」と話した。