新型コロナウイルス感染拡大が危ぶまれ、首長らが式典後の宴会自粛を求めるなどピリピリムードの中で10日に開催された成人式。検温や手指消毒、人数制限など「新様式」での実施となった。会場ではマスク姿の新成人が旧友との再会を喜ぶ一方、急きょ中止となった場所では落胆の声が聞かれた。
1635人の新成人のうち、約1100人が参加した沖縄市。密を避けるため会場を市民会館から市体育館に変更、1階と2階に分け、時間も短縮した。
桑江朝千夫市長は式典で「皆さんにお願いがある」と切り出し、宴会中止を強く求めた。「キャンセル料が発生するなら、私どもとしても考えていきたい」と市が負担する考えがあることも表明。「夏ごろ、あらためて計画してほしい。コロナから人類を守るという大きな意識で行動してほしい」と訴えた。
式典に参加した新屋友妃さん(20)は「開かれるか不安だった。周りの方々に感謝したい」と笑顔。宴会開催は延期にしたと言い「ちょっと寂しいけど、安心して会える時にまたみんなで会いたい」と話した。
一方、出身中学校の2次会に参加する別の女性(20)は「(感染の)不安もあるが、なかなか集まれる機会もない。アルコール消毒し、マスクを着用して安全に楽しみたい」と話した。
名護市は参加者を新成人だけに制限して開催。入場時の検温など感染対策を講じ、式の様子は市公式ユーチューブで生配信した。
緑風学園出身の比嘉来夢さん(20)は「成人式が中止になった地域もある中で開催していただき、ありがたい。こうやって友達と晴れ着で集まれてうれしい」と笑顔を見せた。
石川多目的ドームで開催したうるま市では「祝福ゲスト」として闘牛が参加。今年の干支(えと)でもある大きな牛の登場に、新成人から歓声が上がった。