那覇空港の第1滑走路と第2滑走路を結ぶ誘導路そばの緑地帯で、陥没や空洞が見つかった。2019年12月から21年1月9日まで、全8カ所に及ぶ。

 沖縄総合事務局は「現時点で航空機の運航や乗客の安全に支障はない」としているが、まかり間違えば重大な事故につながりかねず、徹底した原因究明を求めたい。

 陥没は縦1・8メートル、横1・4メートル、深さ0・7メートル規模だった。8カ所では埋め戻すなどして応急復旧した。最初に確認された場所では約1年にわたってモニタリングしながら、11回も埋め戻している。

 石積み構造の護岸に敷設されている防砂シートに穴や劣化が確認されており、そこから緑地の埋め立て材の海砂が流れ込んで陥没や空洞化が発生したとみられている。

 ただ、シートがなぜ劣化・破損したのか原因は不明だ。完成間もない施設でなぜ起きたのか。

 地盤工学に詳しい専門家は、1年で防砂シートの劣化は考えづらいとしており、埋め立て作業時に重機によるシートの破損や敷設作業に問題があった可能性を指摘する。

 第2滑走路の増設では、早期供用の要望を受け、もともと7年かかる工期を5年10カ月に短縮した経緯がある。

 工期を急ぐために、作業工程に問題はなかったか。管理体制はどうなっていたのか。今後、さらに陥没が発生する可能性はないか。

 県民をはじめ、観光・ビジネスなど利用客の不安を払拭(ふっしょく)するためにも、抜本的な対策を早急に講じるべきだ。

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 原因もさることながら、ふに落ちないのは公表のタイミングである。最初の陥没が見つかってからは1年以上が経過している。

 第2滑走路が供用開始となった昨年3月の前後にわたって確認されており、滑走路で見つかっていたらと考えるとぞっとする。

 総合事務局は発生時点で公表しなかったことについて「運航に支障がなく、通常の維持管理の範囲だった」と説明する。陥没が見つかる過程で調査を実施し、議論される環境が整ったことで合わせて公表したという。

 安全が担保されなければならない空港の運用で、支障がないから公表しないというだけでは納得がいかない。

 新滑走路の運用は、県経済発展の起爆剤として期待がかかる。それだけに、課題や不具合が見つかればその都度、利用者目線に立った情報開示が求められる。

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 総合事務局は、原因究明と対策工法を検討するため、専門家でつくる技術検討委員会を15日設置し、初会合を開く。何よりスピード感を持って対応してほしい。

 滑走路など他の場所での陥没は確認されていないというが、埋め立て地全体の調査も必要だ。

 新滑走路開業後、新型コロナウイルス感染拡大で、国際線全便が運休するなど異例の事態が続く。収束の見通しが立たない中で、経済再生も緊急の課題である。それを下支えする玄関口を守る再発防止策が早急に求められる。