大学入学共通テストがきょうから始まる。約30年続いた大学入試センター試験の後継として、初めて実施される。

 全国で約53万人、県内では5500人余が出願している。新制度で戸惑いもあるはずだが、受験勉強の成果が発揮できるよう平常心で試験に臨んでもらいたい。

 気掛かりなのは新型コロナウイルスの感染拡大だ。11都府県に国の緊急事態宣言が発令され、県内でも連日、60、70人台の新規感染者が確認されている。不安を感じる受験生は少なくないだろう。

 大学入試センターは、試験会場での感染防止対策に力を入れるとともに、コロナ禍でも受験機会を確保する対応を取っている。

 きょうとあす第1日程が実施される。体調不良で欠席すると、一斉休校で学習の遅れがある現役生向けに設けられた30、31日の第2日程が追試験となる。第2日程の受験生が受けられない場合、2月13、14日に特例追試験がある。

 細心の注意を払っていても当日体調を崩すことは十分考えられる。センターは、発熱や喉の痛みなどがあれば無理に会場に来ずに追試験を申請するよう求めている。

 会場で体調不良を感じ試験監督に申し出れば、別室受験となったり追試験の申請を求めたりできる。濃厚接触者となっても、無症状なら条件付きで別室受験が可能という。落ち着いて対処してほしい。

 当然ながら、こうした措置が現場に浸透されず、受験生が不利益を被ることがあってはならない。各会場で対応を徹底してもらいたい。

■    ■

 共通テストを利用する大学などは計866校。2月1日からは私立大の入試が本格化し、下旬に国公立大2次試験の前期日程が始まる。

 各大学の個別試験は、それぞれのキャンパスで実施されることが多い。感染拡大に歯止めがかからない中、首都圏など県外大学を志望する県内の受験生からは「移動や宿泊が心配」との声が上がる。

 「推薦型」入試の受験者増や難関大学への挑戦を回避する傾向が強まっているのは、コロナ禍の影響も大きいのだろう。

 大学側にも感染リスクを減らす動きが出ている。個別試験を取りやめ、共通テストの成績で合否を判定する大学がある。試験開始を午後に繰り下げ、遠方から日帰りできるように変更した大学もある。

 感染状況がさらに深刻化すれば、個別試験の見直しが増える可能性がある。混乱が起きないよう大学は早めの情報発信を、受験生も頻繁にチェックするよう求めたい。

■    ■

 共通テストは「思考力・判断力・表現力」を問うことを重視した出題となる見通しだ。

 当初は英語での民間検定試験活用と、国語・数学への記述式問題導入が目玉とうたわれた。だが、民間検定試験は試験会場の都市部集中や高額な受験料が格差を広げると指摘された。記述式も採点ミスの懸念があると批判され、どちらも見送られた経緯がある。

 ずさんな改革で振り回されたのは今回の受験生たちだ。これ以上しわ寄せがいくことがないようにしてほしい。