[県歯科医師会コラム・歯の長寿学](308)

イラスト・いらすとや

 厚生労働省の「歯科疾患実態調査」によれば、デンタルフロスや歯間ブラシを使っている男性は30・6%(2868人中)、女性は46・3%(3410人中)。これは歯間ブラシの使用を含めての数値ですので、デンタルフロスを使っている人は、実際はさらに少ないと思われます。しかし、デンタルフロスは、歯ブラシが届かない場所の汚れを取り除くことができる大切な道具なのです。日頃の歯磨きに加えて、デンタルフロスはじめてみませんか。

 模型を使った実験で歯の汚れを「歯ブラシだけで磨いた場合」と「歯ブラシに加えフロスで磨いた場合」とで比較してみました。その結果はブラシだけでは、歯と歯の間、歯茎の溝の中が十分に磨けていないことがわかりました。デンタルフロスが得意な部分は次の二つです。

 【歯と歯の間】歯と歯が接している部分は、歯ブラシが届きづらい所。こうした歯ブラシが入りにくい場所にも細菌は入り込み歯垢(しこう)となります。歯と歯の間の歯垢の付着はむし歯や歯周病の原因になります。デンタルフロスで歯と歯の間の汚れを取り除きましょう。

 【歯茎の溝の中】健康な歯茎でも、歯との間にはほんのわずかな隙間があります。この歯と歯茎の隙間の浅い溝にたまった歯垢も歯ブラシだけでは十分に取り除けません。この部分に歯垢がたまったままだと、ここからむし歯や歯周病になります。ですから、歯茎の溝の中にもデンタルフロスを通す必要があるのです。

 まずは難しく考えずに、デンタルフロスをする習慣をつけることが大切です。はじめは1週間に1回でいいです。はじめてみましょう。歯ブラシだけでは歯と歯の間の歯垢まで取りきれないことが、1度デンタルフロスを通していただければわかるはずです。デンタルフロス後のスッキリ感が病みつきになり、1週間に1回が、3日に1回、3日に1回が1日に1回となれば大成功ですね。(加藤進作 くばがわ歯科医院=那覇市