新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからず、3度目となる県独自の緊急事態宣言が出された。年明け以降、県内全域で急速に感染者が増加し、「医療崩壊」が目前に迫っている。いま一度、危機感を共有し、大切な人を守る行動を取ってほしい。

 宣言初日の20日、111人の新規感染者が報告された。直近の5日間で、100人を超えたのは3日を数える。

 入院患者のうち重症や中等症は130人と増加傾向にある。入院や療養を待つ人も135人となっている。

 コロナ病床の利用率は、84%に達する。県平均の一般病床利用率も95%。特に本島中部では103%となり、人口が多い中南部の病床が逼迫(ひっぱく)している。

 県立八重山病院では、コロナ入院患者増加に対応するため、それ以外の重症患者を本島の病院に搬送する事態に追い込まれた。県立宮古病院も「病院機能の崩壊が近づいている」とし、診療制限が始まり手術の延期やリハビリ外来中止を余儀なくされている。

 県独自の緊急事態宣言は、昨年4月と8月に次いで3度目となる。前回第2波の宣言時と比べても、療養者数、病床占有率、重症者用病床占有率、新規感染者数、PCR陽性率の5指標で大きく悪化した。

 島しょ県で、医療資源に限りがある沖縄は、「医療崩壊」の瀬戸際にある。

 県はこれまで感染防止策と経済活動の両立を模索してきた。だが、今は医療者が求めるようにブレーキを踏む局面である。

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 玉城デニー知事は、緊急事態を宣言するにあたり、県民に、通院や必需品の買い出しといった生活の維持に必要な場合を除き、外出を自粛する「行動変容」を求めている。

 飲食店と遊興施設は営業時間を午後8時までに短縮し、対象も県内全域に広げた。時短要請に応じた事業者には、一律から店舗ごとへの協力金を支給するよう拡充した。ただ、多くの業界がコロナの影響で、業績が悪化している。支援は飲食店などに限定され、食材や飲食料品などを扱う取引先は、対象となっていない。

 感染状況は、国の緊急事態宣言の対象地域と同様のレベルまで悪化している。

 県からの求めに沿って、政府は一刻も早く沖縄などを緊急事態宣言の地域に追加するなどして、対象地域と同様、売り上げが減少した幅広い業者を支援するべきだ。

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 最近の傾向として、活動が活発な若い世代がまず感染して2次、3次感染でお年寄りに広げるパターンが懸念されている。年末年始や成人式に向けて、玉城知事は、感染防止のメッセージを発信したが、十分には響かなかった。

 全国的には、入院を待つ間に容体が悪化したり、亡くなるケースも相次いでいる。

 緊急事態宣言は、県民に我慢や痛みを強いるが、ここで、コロナを抑え込むことができなければ、医療は崩壊し経済回復の道も遠のく。

 感染防止への一人一人の覚悟が問われている。