沖縄県那覇市管理の松山公園にある儒教施設の久米至聖廟(しせいびょう)(孔子廟)に、市が土地を無償提供しているのは憲法の定める政教分離に違反するかが問われた住民訴訟の上告審弁論が20日、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)であった。住民側は、儒教は宗教で久米至聖廟が宗教施設なのは明らかだとして違憲性を強調。那覇市側は、久米至聖廟は文化教育・歴史的施設で政教分離違反ではないと反論し、即日結審した。判決日は追って指定される。

久米至聖廟

久米至聖廟訴訟の主な主張と高裁判決

久米至聖廟 久米至聖廟訴訟の主な主張と高裁判決

 大法廷は憲法判断をする場合などに開かれる。差し戻し後の一、二審はいずれも、無償提供を違憲と指摘しており、最高裁も憲法判断を示すとみられる。

 住民側は「学術的見地だけでなく、一般人の感覚に照らしても久米至聖廟が宗教的施設なのは疑いようがない。市が公園の広大な敷地を提供し、使用料を全額免除していることは特定の宗教の助長に当たる」と主張した。

 市側は「儒教は宗教ではなく学問。久米至聖廟も沖縄に中国文化を伝えた『久米三十六姓』の歴史・文化を学ぶ教養施設だ。観光資源としての側面もあり、使用料免除は何ら宗教的意義を有するものではない」と反論した。

[ことば]久米至聖廟 琉球王国時代の1676年に孔子及びその門弟をまつるために旧久米村に建てられた。久米村は、中国渡来の人々が多く生活していた。1718年には琉球初の学校「明倫堂」が設立された。第2次世界大戦で壊滅したため、1975年に那覇市若狭に再建された後、2013年6月、松山公園内に移転した。