[自衛隊 沖縄50年]

土砂が搬入されている「K8」護岸に向け、埋め立て工事中止を訴える市民ら=2020年11月21日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸

 「普天間飛行場の危険性除去や基地の負担軽減に名を借りた県民だましだ」。陸上自衛隊の離島防衛部隊「水陸機動団」を、名護市辺野古の新基地に常駐させる日米合意の存在が分かった24日、県民からは憤りや批判が噴出した。機能強化の狙いに「沖縄戦同様、沖縄を本土防衛の『捨て石』にするつもりだ」と危機感をあらわにし、建設阻止を訴えた。

 前名護市長で新基地建設に反対する「オール沖縄会議」の稲嶺進共同代表は「米軍再編が進められる中、隠すように自衛隊使用という伏線が敷かれていた。事実なら恐ろしく、許されない」と憤った。

 市長時代にも政府は「普天間の代替施設は米軍専用」と説明し続けてきた。再編で海兵隊を海外に9千人移転させた場合、「辺野古は誰が使うのか」と指摘してきたが、政府から回答はなかった。稲嶺さんは「県民に依然として犠牲や構造的な差別を強いるもので、本土防衛のために沖縄を『捨て石』にしたような戦前の軍隊の体質が、今も防衛省の中に生きている感じがする」と批判した。

 「腹から怒りが湧いてしょうがない」。新基地建設現場で抗議行動を続ける沖縄平和運動センターの山城博治議長は声を震わせた。

 普天間の辺野古移設について、政府は「危険性除去や負担軽減のための唯一の策」と言い続けてきた。山城議長は「いかにこれが県民だましだったか」と憤り、オスプレイ配備同様、県民に負担を強いる情報を隠す政府の姿勢を痛烈に批判。「対中国などをにらみ沖縄を再び『捨て石』にしようとしている。県民を挙げて、大きな怒りの声を政府に上げないといけない」と建設阻止を強く訴えた。

 名護市東海岸の瀬嵩に暮らす渡具知智佳子さん(59)は「悲しいくらい驚きがない。政府はずっとやりたい放題だから」。この24年の間に、計画は「撤去可能な海上ヘリポート」から「日米共同使用の恒久基地」に変わった。「ひどい。なんという国なのか」と問う。

 一方、新基地を条件付きで容認する飯田昭弘さん(73)=市辺野古=は「日米地位協定に守られている米兵より、自衛隊の方が訓練や生活面でルールを守るのではないか」と好意的に受け止める。基地の恒久化には「もちろん基地はない方がいいが、政府に反対しても建設は止められない。それなら、区の100年後のための施策を求めたい」と話した。