沖縄タイムスSDGsプロジェクト MIRAIづくり][美ら海と土壌を守る](下)

ジオラマで農地から赤土が流れ出る仕組みを学ぶ子どもたち=2020年12月26日、糸満市喜屋武のニンジン畑

 2020年12月26日。久しぶりの晴れ間が広がったこの日、糸満市喜屋武のニンジン畑では、子どもたちの笑い声が響いていた。イオン琉球が子どもたちと環境保全に取り組む「イオンチアーズクラブ」が開いたグリーンベルトの植え付け体験。4家族12人が参加し、赤土が流れ出る原因や、海に与える影響を学んだ。

 イオン琉球環境社会貢献課長の島袋里奈さんは「観光資源を守っていく、との使命を持って取り組んでおり、次代を担う子どもたちにも伝えていきたい」と意義を説く。

 サンゴの植え付け体験も考えたが、「きれいな環境が整っていないと育つのも難しい。根本的な要因を解決すべきだと思った」と、赤土流出防止への取り組みを選んだ理由を話した。

 植え付け体験を運営したNPO法人おきなわグリーンネットワークは1年間に10回ほど、学校や地域を対象にした環境学習会を開く。理事長の西原隆さんは「赤土流出は解決に時間がかかるし、継続しなければ再発する。子どもたちにも関心を持ってもらうことで、息の長い取り組みにしたい」とする。

 西原さんには忘れられない言葉がある。「雨が降れば海は赤くなるんだよ」。環境学習会での小学生の発言だ。驚いていると、他の子たちも賛同したという。

 「衝撃だった。生まれた頃から、赤く染まった海を見て育ってきたということ。この子たちが大きくなるまでに、きれいな海を取り戻したい」と、取り組みを続ける決意を固めた。

 赤土を悪者と思っている子たちも多いといい、「本来は、海にあるはずのない赤土が流れ出ているから環境を壊してしまっている」と指摘。「赤土は、やちむんや首里城の屋根瓦にも使われてきた。農業だけでなく、文化も支える沖縄の財産だ」と訴える。

 こういった誤解も解きながら、流出防止対策を将来まで続けるため、「環境教育はとても重要」とする。西原さんは「子どもたちも一緒に沖縄の海と島を守っていきたい」と話した。(編集局・照屋剛志)

 おきなわグリーンネットワークは、沖縄タイムス社のクラウドファンディングサイト「Link-U(リンクユー)」で活動費を募っている。集まった寄付は、グリーンベルト植栽などの防止対策や、子どもたちの環境学習に役立てる。リンクユーへのアクセスはこちら