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[ニュースナビ+プラス](138)コロナで減産 上昇傾向 平原隆美氏(琉球海運専務)

2021年1月27日 11:32
 ニューヨーク原油先物価格が大幅に上昇し、およそ10カ月ぶりに1バレル50ドル台をつけた。サウジアラビアが2~3月に自主的な追加減産に取り組むことを表明。需給引き締まりへの期待から買いが膨らんだ。(7日付、日経新聞)

原油先物 10カ月ぶり1バレル50ドル台

 今回は世界の原油生産を深掘りします。生産量のトップ3は米国、サウジアラビア、ロシアですが、昨年の前半に原油価格が急落しました。WTIという原油先物チャートで代表的な指標(ガソリン、灯油、電気料金など運輸業に影響を与える指標)が一昨年の60ドルから、各国の対立に新型コロナウイルスの影響による需要減退が加わり、急落。ついには一瞬マイナス37ドルにもなりました。

 世界の原油供給量は2019年が日量1億50万バレル、需要量1億40万バレルでバランスしていました。原油市場を支配してきた中東のサウジを中心とした11カ国の石油輸出国機構(OPEC)プラス、ロシア等の石油産油国が17年から協調減産を行ってきたからです。

 昨年1月からさらなる減産調整を協議しましたが、3月にロシアが拒絶して決裂。サウジも増産計画へと変更し、供給過剰の対立になったのです。

 さらにコロナショックで世界の需要量が3千万バレル近くの大幅な減少となりました。世界の供給量に占めるOPECの割合は35%しかなく、米国はシェール革命(シェール・オイルの生産コストが技術革新で劇的に下がった)で生産量が増え、世界一の産油国に復活しました。

 中東産油国の原油は粗い砂岩等の貯留層の隙間に存在し、地下の圧力で自噴するのに対し、シェール・オイルは頁岩(けつがん)という岩盤層に存在します。自噴せず水圧破砕という高圧水で岩盤に割れ目をつくり、水の圧力で追い出す必要があり、生産コストが割高です。

 一昨年まで協調減産によりWTIも高めで、各国ともメリットを享受していましたが、生産コストの高いシェール・オイルのシェア獲得を防ごうと価格を下げようとして対立が高まったのです。コロナショックもあり、再度減産の合意をして価格上昇傾向は見えますが、需要減退量が大きく、価格の大幅上昇には至っていません。

 恒例の船の知識は、乗組員についてです。大きなRORO船は何人で動かしているでしょうか? 琉球海運の場合、乗組員の総数は13人。運航に携わる船長と航海士で4人、操船補助の甲板手4人、機関長と機関士で4人、主に食事関係に携わる司厨長1人です。

 日中、夜間の見張り(ワッチ)は航海士と甲板手がペアとなり、4時間おきに交代します。機関の方は、日中は機関場で仕事し、夜間は監視装置等を使って人がいないM0(エムゼロ、無人)運転。複数の船で混雑する場所や港の中では、全員が持ち場につきます。乗組員は3カ月乗船勤務、1カ月休暇のパターンとなっています。(琉球海運専務)=水曜日掲載。次回は米須義明県商工会連合会会長です。

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