【平安名純代・米国特約記者】陸上自衛隊と米海兵隊が、辺野古新基地に陸自の離島防衛部隊「水陸機動団」を常駐させることで極秘合意した2015年に、米オバマ政権でホワイトハウスに在籍していた高官は28日までに本紙の取材に応じ、常駐合意案を把握していたことを明らかにした。米国で制服組だけでなく、政府中枢の文官にも合意が共有されていた実情が浮かび上がった。高官は、常駐案が「日米両政府間の共通理解」との認識も示しており、菅義偉首相の「従来より恒常的な共同使用は考えていなかった」との答弁と実態が乖離(かいり)している。

新基地建設が進む米軍キャンプ・シュワブ沿岸部=2020年11月16日、名護市辺野古

 元高官はアジア安全保障問題に詳しく、オバマ政権時、在沖米軍基地問題にも関わった人物。辺野古に自衛隊が常駐する可能性について「米議会が新基地建設計画の見直しを提言した2011年ごろから、国防総省内で検討が始まった」と述べた。

 陸上自衛隊と米海兵隊の「水陸機動団」を常駐させる極秘合意については、故翁長雄志前知事が辺野古の埋め立て承認を取り消した15年10月、国防総省から、辺野古移設を巡る訴訟など主な動きと今後の流れなどをまとめた文書で報告されたと明らかにした。

 元高官は「当時、国防総省は積極姿勢だったが、埋め立て承認を巡る裁判や管理権などの諸問題があったため『案』という位置付けだった。そうした問題がクリアされれば『計画』へ格上げされる認識だった」と説明した。

 その上で「米軍基地の共同使用は、対等な日米関係の構築に不可欠というのが日米間の基本方針だ」と強調した。

 バイデン政権の国務省高官は27日、本紙の取材に「沖縄でも、海兵隊と自衛隊の共同訓練や、新型コロナウイルス感染拡大抑止における自衛隊の貢献に理解を示す政治家が増えるなど、環境は変化していると聞いている」と指摘。

 水陸機動団の配備案に関する現状には言及せず「日米の相互運用能力を高め、日米同盟の深化につながるあらゆる選択肢を大事にしたい」と述べるにとどめた。

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