琉球銀行(川上康頭取)と沖縄銀行(山城正保頭取)は29日、包括業務提携を締結したと発表した。現金配送やATMの共同化などを検討する。業務の効率化を図り、両行は3年間で計20億円の経費削減を目指す。新型コロナウイルス感染拡大で影響を受けている事業者支援、事業継承の協業も検討を進める。将来的な経営統合については完全に否定した。

業務提携の共同記者発表で握手する琉球銀行の川上康頭取(左)と沖縄銀行の山城正保頭取=29日、那覇市・八汐荘

会見のポイント

業務提携の共同記者発表で握手する琉球銀行の川上康頭取(左)と沖縄銀行の山城正保頭取=29日、那覇市・八汐荘 会見のポイント

 那覇市内で琉銀の川上頭取と沖銀の山城頭取がそろって記者会見した。両行は経営の独立性やブランド・顧客基盤は維持する方針。

 金融機関を取り巻く環境は、日銀のマイナス金利政策を背景とした低金利の長期化で厳しい状況が続いているが、コロナ禍で県経済が打撃を受け、先行き不透明感が一層強まっている。

 2行はコスト削減で生み出された経営資源を生かし、事業者支援や県経済の持続的な成長に寄与すると説明。提携の名称を「沖縄経済活性化パートナーシップ」とし、検討の柱に(1)県経済の発展に資する協業(2)バックオフィス業務の共同化によるコスト削減-を掲げた。2月にも分科会を設置し、検討を始める方針。

 川上頭取は2019年に自ら沖銀、沖縄海邦銀行に声掛けし、事務の共同化を模索してきたことを明らかにした。結論が出ない中、新型コロナ感染症が発生。経済活動への打撃で不透明さが増す中、昨年12月に沖銀から琉銀へ今回の話を持ち掛けたという。

 会見で川上頭取は「ライバルとして切磋琢磨(せっさたくま)してきたが、一分野とはいえ協力していくことになる。その意味を本気で伝え、成果を出したい」と意義を語った。山城頭取は「しのぎを削るというよりも、(コロナ禍の今は)互いに協力することが大事だということで一致した」と説明。両氏とも、今回の提携は海銀を排除するものではないと述べた。

(関連)提案1カ月余で合意 統合へ「布石」か 厳しい地銀環境

(関連)ライバル2行が業務提携 コロナで危機感、歩み寄り

(関連)総資産上回る琉銀 収益性優れる沖銀 両行の財務