沖縄県内で中学卒業後に進学も就職もしない「中卒進路未決定者」が、2011年から20年までの過去10年間で4081人に上ることが4日までに分かった。556人と最多だった12年をピークに減少しているが、卒業者全体に占める割合は14年に全国の4倍、20年も同2倍とワーストの状況が続いている。識者は、子どもの貧困や、高校の定員に空きがあるのに不合格となる「定員内不合格」の多さなどが背景にあると指摘する。

県内の中卒進路未決定者の推移

 県教育庁の統計によると、過去10年で進路未決定者が最も多いのは2012年春の556人(卒業者総数の3・4%)、次いで14年春の541人(同3・2%)、11年春の516人(同3・1%)。17年以降は減少傾向となり、20年は233人でピーク時の半数以下となった。

 義務教育課は進路未決定の原因を「学力不足や進路決定の遅さ、目的意識の低さに加え、経済的理由も影響している」と分析。学力向上やキャリア教育の充実などに取り組んだことが改善につながったとする。

 それでも県内の進路未決定者は卒業生の1・4%を占め、全国平均の2倍。県教育庁は進路未決定者のその後を把握しておらず、金城弘昌教育長も1月28日の県議会で「課題と認識している」と答弁した。

 琉球大学の長谷川裕教授(教育社会学)は沖縄の中卒進路未決定率が、子どもの貧困率から予測される数値を大きく上回っていると分析。「貧困だけでは説明できない問題が特に大きいようにみえる。一つは高校の定員内不合格の多さ」と指摘する。

 昨年度の県立高校入試での定員内不合格は53人。これまで沖縄は毎年100人以上の定員内不合格が出ており、九州他県の2~6倍。中卒後に行き場のない若者を生み出す要因となっている。合否判定基準は学校によって違うが、素行不良や無断欠席、学力不足などが問題視されたとみられる。

 長谷川教授は中卒後の進路未決定は、その若者を不安定な境遇に置くことになると懸念し「貧困問題を抱えた沖縄では、定員内不合格を大幅に減らし、0を目指してほしい」と指摘した。(社会部・徐潮)