進学も就職も決まらないまま中学校を卒業した子どもたちはどうしているのか。1月下旬、うるま市教育委員会が市内で運営している自立支援の「若者の居場所」を訪ねた。(社会部・徐潮)


 静かな住宅地にある建物の一室。この日は10代の若者ら約10人がやってきた。音楽が流れる中、給食を食べたり、会話やトランプを楽しんだり。壁には1週間の時間割や高校受験までのカウントダウンが掲示されている。仲間や支援員と共に、自分の進路や将来を考える空間だ。
 8人きょうだいの長男という男子(17)は、中学3年の10月に不登校となったまま卒業した。学力は学年上位で成績は良かったという。「数学が一番得意。ずっとAだった。理科も好き」と振り返る。
 中3の夏に両親が離婚。夏休み明けから学校でいじめを受けるようになり「希望を失った」。厳しい家計を支えようと高校進学を諦め、卒業後はコンビニで1日9時間、週5日間アルバイトをした。それでも、小さい頃から抱いていたサッカー選手になるという夢は、心の中に残り続けた。
 19年夏に現在の「居場所」とつながり、バイトを辞めて支援員らのアドバイスを受けながら夢の実現へ道を模索。サッカー関係者に中卒で選手になるのは難しいと言われ、「高校に行きたい」と思うようになった。4月から通信制高校に通うことを決め、自ら生活費を稼ぎながらサッカー選手を目指す。「貧困で夢を諦めざるを得ない状況をなくしたい。きょうだいも安心して学校に行けるように」。...