峠に薄紅色が立ちこめていた。両手を引かれた幼子が、まばゆい花模様の空を見上げている。目を閉じて、なお浮かぶ可憐(かれん)な景色。本部町、八重岳の寒緋桜(かんひざくら)が季節を迎えた▼例年なら頂から麓へと順に花開かせるが、今年は時を同じくして一面を彩っている。