「私の力が及ばなかった。結果はしっかりと受け止める。それぞれが立ち上がって一緒に戦ってくれたことに感謝している」。伊礼さんは険しい表情を崩さないまま、浦添市仲間の選挙事務所で支持者に頭を下げ、礼を述べた。「これで終わりじゃない。それぞれの力で苦難を切り開いていく選挙だった」と訴えた。

敗戦の弁を述べ、選挙事務所を後にする伊礼悠記さん=7日午後11時15分、浦添市仲間

 午後11時8分、相手候補の当確を伝える一報が届くと、事務所内は静まり返った。選対幹部のあいさつの後にマイクを握った伊礼さんは、少し間を置いて敗戦の弁を語った。

 最大の争点に米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添移設反対を掲げ、容認する現職との立場の違いを明確に打ち出し一騎打ちに挑んだ。「選挙戦の初めから最後まで、市民が軍港問題について議論できたことはすごく重要なことだ」と強調。3期目を決めた現職に「市民の立場に立った市政運営をしっかりしてほしい」と注文をつけた。

 「市民本位の市政の実現」を目指し、軍港問題だけでなく元看護師の経験を踏まえた新型コロナウイルス対策を訴えるなど、選挙戦を走り抜いた。浦添市初の女性市長誕生に期待の声も大きかったが及ばなかった。

 出馬表明から約1カ月半の短期決戦で、知名度向上が課題だった。地道な街宣、演説などで浸透を図ったが、追い付かなかった。

(関連)「さすがに心が折れそうになった」とこぼす選挙 松本さんを支えた家族の存在

(関連)知事選「松本候補」の声も 自民に弾み デニー氏の行動に身内から疑問も