現職、新人の一騎打ちとなった浦添市長選は、松本哲治さん(53)が3期目の当選を果たした。2期8年の市政運営が評価され、市民の負託を受けた。新人の伊礼悠記さん(38)は那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添移設反対を前面に打ち出して挑んだが、及ばなかった。

花束を手に家族と当選を喜ぶ松本哲治さん=7日午後11時20分、浦添市伊祖の選挙事務所(下地広也撮影)

 「コロナ禍の厳しい環境で本当に手ごわい相手だったが、皆さんの助けできょうまで来られた。浦添市のために走っていく」。松本哲治さんは浦添市伊祖の選挙事務所で集まった支持者に感謝し、万歳を繰り返して3選の喜びをかみしめた。

 7日午後10時前、緑と黒の市松模様のネクタイを結んだ松本さんは、妻の郁子さん(53)と支持者らが待つ選挙事務所の会場に到着。一礼して着席し、緊張をほぐすように首や腕のストレッチをした後は、ほとんどの時間、目を閉じて背筋を伸ばし、吉報を待った。

 午後11時5分、「当確」が伝えられると支持者は「やったぞー」と歓喜。松本さんはガッツポーズをつくり喜んだ。事務所内は拍手と歓声が続いた。長女のあかりさんから花束が贈られると、松本さんは満面の笑みで応え、3人の子どもたちと抱き合って喜んだ。

 最大の争点だった米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添移設問題。移設の是非で立場が揺れ、これまでの選挙の公約通りに進められなかったことで批判を浴びることも多かった。6日の打ち上げ式で「さすがに心が折れそうになった」とこぼすほど厳しかった。

 支持者らはもちろん、家族が大きな支えになった。息子は総決起大会で「自分のことより先に人を思いやる力を持つ父こそ、浦添を引っ張っていける」と聴衆に訴え、後押し。2人の娘は選挙カーで遊説。演説の話が長いと駄目出しもされ、「娘が一番厳しい」と頼もしい存在だった。

 3選の喜びもつかの間、松本さんはすぐに表情を引き締め、那覇軍港移設について「県と那覇市の合意をベースに、3者で話し合ってくれというのが一つの民意だ」と意気込んだ。

(写図説明)花束を手に家族と当選を喜ぶ松本哲治さん=7日午後11時20分、浦添市伊祖の選挙事務所(下地広也撮影)