新型コロナ沖縄の今

何が起きていたのか…沖縄の高齢者施設で大規模クラスター 実は静かに感染か

2021年2月10日 09:07

 新型コロナウイルス感染後に重症化しやすい高齢者施設内でのクラスター(感染者集団)が県内で増えている。今年は既に6施設で発生し、昨年1年間の5施設を上回った。関連の感染者数も、昨年(76人)の2倍近い137人に膨らんでいる。大規模クラスターが起き、感染拡大の瀬戸際に立った事業所でその時、何が起きていたのか-。(社会部・篠原知恵)

リハビリなどで利用者と職員が密着することが多い介護現場=2日、本島中部のデイサービス

 「Aさんが新型コロナでした」。本島中部でデイサービス(通所介護)事業所を運営する男性に、利用者感染の一報が届いたのは昨年8月のある朝。ケアマネジャーのメールだった。

 既に送迎車は地域を回り始め、数人の利用者は施設に到着していた。男性はAさんがPCR検査を受けたことも知らなかった。だが、すぐにその日の営業休止を決めた。思い当たる節はあったからだ。

 Aさんには6日前、せき込む症状があった。看護師が健康観察をしたが、37・5度以上の発熱はなし。すぐに帰宅してもらう選択肢はあったが、排せつなどの介助が必要なAさんを、家族が仕事で留守の自宅に一人戻して大丈夫なのか。ちゅうちょし、そのまま利用を続けてもらった。

 約60人の利用者に、日常的にせき込む人も少なくない。「多少のせきで感染を疑えば、半数以上に利用自粛を求めることになりかねず、見極めが難しかった。あの時に利用を断れていれば」。男性は思い返す。

 Aさんの症状と時をほぼ同じくして、非番の職員Bも発熱していた。当時、結び付けることができなかった二つの事象は、今振り返ればサインだった。集団感染は静かに進んでいた。

 Aさん陽性の一報があった日、職員Bの陽性も判明。その数時間後には、約1週間前に別の疾患で総合病院に入院していた利用者Cさんの陽性が確認された、との連絡が飛び込んだ。

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