2015~19年度の県営住宅への入居倍率が、ひとり親や障がい者、60歳以上や生活保護受給世帯など入居が優遇される世帯でも約4~7倍で高止まり、希望しても入居できない人が多くいることが9日、県への取材で分かった。19年度の倍率は6・8倍。県によると、国土交通省が調査した18年度の公営住宅入居倍率の全国平均3・9倍に比べ「高い水準」という。(政経部・屋宜菜々子)

県営住宅入居倍率の推移

 県営住宅は、県が住宅に困窮する低所得者に低家賃で貸し出す。優遇世帯の入居は、その他の一般世帯に対し、おおむね2倍の室数を確保するよう配慮されている。一般の入居倍率は10倍を上回っている。一般の申し込み資格は、所得月収が15万8千円以下。

 20年度には、那覇市の天久高層住宅の3戸に291世帯が応募し97倍に。築年数が浅く立地がよい団地に集中する反面、近隣に商業施設が少ない団地では倍率が1倍を切るなど、団地ごとに倍率が大きく異なる。

 県営住宅への入居申し込みは、15年度以降、3千件前後で、うち優遇世帯は2千件前後。入居は400~600件前後で推移している。

 19年度の一般世帯の申し込みは708件で、うち入居は71件。優遇世帯は申し込み2141件に対し、入居は314件にとどまった。

 空き部屋が急増しない一方、申込件数は多いため、入居倍率が高止まっている。県住宅課は「収入が伸びた場合、出ていただくのが理想」とするが、入居者の高齢化など、長期間の入居も増えているという。

 10年度に1万6980戸だった管理戸数は、19年度1万7060戸とほとんど増えていない。県は、限られた予算で、新設より老朽化した既存団地の建て替えを優先しているためだ。

 県営住宅は日本復帰後に整備され、1980年代前半に多く建設され、現在、建て替えのピークを迎えている。現在は、4団地を建て替え工事中。建て替え時に戸数を1割程度増やして対応している。

 団地新設は17年に管理を始めた八重瀬町にある伊覇団地を最後に、現時点で計画されていない。

 県は、公営住宅の供給目標量など、16~25年度の10年間の住宅施策を定めた県住生活基本計画を、21年度に最新のデータや、市町村、有識者の意見を踏まえて改訂する。