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「今やることは動画配信じゃないかも」コロナで路線変更した2人 まごころ伝える「肉巻きおにぎり」

2021年2月13日 14:55

 コロナ禍の「まごころ券」-。田村忠典さん(22)と新里怜大(れお)さん(22)が1日から、市大里の居酒屋の一角を借りて「肉巻きおにぎり」の販売を始めた。売るのは1個350円の商品と1枚200円の引換券「まごころチケット」。来店客の善意で購入されたチケットは、店頭のコルクボードに張られ、立ち寄った子どもらがそのチケットを使っておにぎりと交換する仕組み。売れ行きも好調だという。元々は飲食店開業の流れをユーチューブで配信予定だった2人だが、いったん保留し「今は、人のぬくもりを伝える手助けをしたい」と店頭に立つ。(南部報道部・松田興平)

「まごころチケット」が張り付けられたコルクボードを前に肉巻きおにぎりを販売する田村忠典さん(右)と新里怜大さん=南城市大里・アカマル商店前

アカマル商店

「まごころチケット」が張り付けられたコルクボードを前に肉巻きおにぎりを販売する田村忠典さん(右)と新里怜大さん=南城市大里・アカマル商店前 アカマル商店

 那覇市出身の幼なじみ2人が露店を出すのは居酒屋「アカマル商店」の出入り口。

 元々、飲食店を開業する前後の様子をエンターテインメントとして動画配信する計画だった。企画を練っていた期間中に県の緊急事態宣言となった。自身たちへの影響は考えてなかったが、発令直後に田村さんが偶然乗ったタクシー運転手とのやりとりで気持ちが動いた。売り上げが厳しい中、乗車したことに恐縮するほど感謝されたという。

 「父親より年上の運転手さんに、乗っただけで頭をしきりに下げられた。多くの人が経済的に困っている今、やることは動画配信じゃないんじゃないか、と思った」

 新里さんも話を聞いて「人と人の距離が遠い今こそ、誰かの真心を伝えたいと思った」と路線変更を決めた。

 知人の「アカマル商店」オーナーから敷地を無料で借りて販売開始。田村さんは居酒屋店長や調理場の経験者で、円滑にスタートした。新里さんは那覇市の放課後児童クラブ勤務の合間を縫って南城市まで足を運ぶ。

 引換券は6日時点で40枚以上を販売、商品も毎日売り切れで、地元の住民から米などの差し入れがある日も。2人は、アカマル商店と地域への感謝を口にし「始めたばかりだが、何とか利益を出しながらお客さんたちの善意を誰かに伝え続けたい」と田村さん。新里さんは「食べ盛りの子どもたちだけでなく、誰でも券を活用できる雰囲気にしたい」と意気込む。

 2人の同級生で会社員の奥浜徳彰さん(22)はすでに常連でこれまで引換券10枚を購入した。「人に役立つ仕事をしたいと昔から話していた仲間が一歩踏み出した。力になりたいし、何より味がいいのでお土産になる」とPRした。

 肉巻きおにぎり販売は無休、午後0時半ごろから6時まで。売り切れ次第終了。問い合わせは電話080(6481)5699。

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