社説

社説[コロナ協力金遅れ]態勢見直し迅速支給を

2021年2月12日 06:08

 コロナ禍で打撃を受けている事業者にとっては死活問題だ。早急な改善が求められる。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、県の営業時間短縮の要請に応じた飲食店などに支給される協力金の大半が、申請から約1カ月たっても支払われていない。

 昨年12月に時短要請が出た那覇、浦添、沖縄市、その後追加となった宜野湾、名護市の対象事業者への支払いが遅れており、3日時点で支給率はわずか3・3%にとどまっている。

 県は事務処理の煩雑さなどが原因としているが、資金繰りに窮する事業者の多くが借り入れなどでつないでおり、支給の遅れは経営危機に追い打ちをかける。

 協力金を家賃や光熱費、借り入れの返済に充てる計画を立てていた事業者は「経営者の立場を全く理解していない」と苦境を訴える。

 県は申請書類の増加に対応する人材や作業場所の確保なども支払いが遅れた理由に挙げており、作業工程を見直し、事務処理の効率化に取り組むとしている。

 時短要請の対象地域の追加や期間の延長などが重なったことで、作業量が増えたこともあるだろう。

 だが、我慢を強いられた事業者への支援は待ったなしで、「補償とセット」という要望にしっかり応える態勢を整えるべきだ。

 8日からは、県の緊急事態宣言に伴って全市町村の対象事業者の申請受け付けも始まった。迅速な支給につなげてほしい。

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 長引くコロナ禍の影響は、幅広い業種に及んでいる。

 民間調査会社によると、2020年の休廃業・解散件数は集計開始以降最多の384件に上った。業種別ではサービス、建設関連、医療・福祉、飲食、宿泊業などが多く、協力金の恩恵を受けられない業種も少なくない。

 収束が見通せず自主的に休廃業・解散したケースが増えている。多くは売り上げ規模の小さい小規模事業者だ。

 本業への影響で、事業の多角化などを模索する動きも出ている一方、先行きの不安で事業譲渡に関する相談も今後増える可能性がある。

 ホテル関係者は「借り入れでしのいでいても、結局は借金になる。先が見えない」と話し、返済が不要の協力金などの支援対象の拡大を訴える。

 県は経済対策の追加を検討しているが、苦境にあえぐ業界全体の支援のバランスをどうとるかが鍵となる。

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 13日からは罰則規定などを盛り込んだ改正コロナ特措法が施行される。時短要請などに応じない場合に行政罰の過料が設けられた一方、国や地方自治体の事業者への財政支援が義務化された。

 ただ、支援の規模や内容などは行政の裁量による。十分な支援につながるかどうかの保証はない。

 経済界からは飲食店などへの協力金のような支援を他業種に拡充するよう求める声が根強い。それに応えるには経済を下支えする事業者目線に立った国や県の財政支援が不可欠だ。

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