【大宜味】芭蕉布(ばしょうふ)の人間国宝、平良敏子さんが14日、満100歳を迎えた。大宜味村喜如嘉に生まれ、20代半ばから沖縄の伝統工芸品、芭蕉布の復興に力を尽くしてきた。現在も早朝から喜如嘉の芭蕉布会館に通い、芭蕉の繊維から糸を作る「手績(う)み」作業に励んでいる。「100歳になっても、いつもと同じ。自分にとって偽りのない仕事を続けるだけ」。その手は滑らかに動いていた。

「100歳になっても自分にとっていつわりのない仕事を続けたい」と話す平良敏子さん=13日、大宜味村喜如嘉・芭蕉布会館(又吉嘉例撮影)

 毎朝4時すぎに目覚めると、まずは新聞を取りに行く。県紙2紙に、隅から隅まで目を通す。15分間の体操も欠かさない。身支度を整え、玄関の大きな鏡に向き合う。「鏡は心を映すから」。自分の心が乱れていないか確認し、仕事に向かう。午前7時前に芭蕉布会館に着くと、午後5時まで糸を績む作業に当たる。

 作業場では作務衣(さむえ)に身を包み、両手に取った芭蕉の繊維の太さや向きに目を凝らす。「手がしびれても、どんなに疲れていても、やめたいと思ったことはない」。戦後を生き延びるため、休むことを知らずに芭蕉布の産業化を進めてきた。戦争で夫を亡くした女性や地域の女性を生産の担い手に加えた責任感もあった。「私は芭蕉布以外、何もできないから」と笑う。

(北部報道部・又吉嘉例)