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「静かで釣りはしやすくなったけど…」消えたクルーズ船 沖縄でコロナ初確認から1年

2021年2月15日 05:00

 新型コロナウイルスの感染が沖縄県内で初確認されてから1年。予想を超える感染拡大の波に繰り返し見舞われ、沖縄の社会はどう変わり、人々は何を感じたのか。感染の発端となったクルーズ船ターミナルを通して、暮らしの移り変わりを追った。

クルーズ船のバースには昨年2月下旬以降、船の姿はなく、PCR検査の動線確保のためのコーンが置かれている=12日、那覇市若狭

 那覇市若狭の那覇クルーズターミナル。13日午後5時頃、小雨の降る中、10人ほどの釣り人が岸壁に立ち糸を垂れていた。那覇市の島袋正さん(53)は「観光客もバスもいない。静かで釣りがしやすい。ミーバイがよく揚がる」と話す。

 釣り人が車を止める道には、赤いコーンが2メートル間隔で並ぶ。その先のターミナルは新型コロナウイルスのPCR検査の会場となっている。月、水、金曜日の午後、ドライブスルー方式の検査を待つ人々の車が列をつくる。

 2019年にはクルーズ船が年間260回もやって来た。1隻に2千~3千人。観光客であふれたターミナルを大型バスやタクシーが埋め尽くし、沖縄観光の好況を象徴する場所だった。「びっくりするくらい忙しかった」と懐かしむタクシー運転手の男性(66)は「こんなに簡単に変わるのかと驚いた」という。

 県内で初めての感染確認は、ここから乗船客を乗せたタクシー運転手だった。人の姿が消え、船が来ない港。島袋さんは「釣りは別の場所でもできる。それよりもクルーズ船が来て、にぎやかな沖縄が戻ってきてほしい」と期待を込めて海を見つめた。
(社会部・比嘉大熙)

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