護憲の党を掲げてきた老舗政党が、県内でも分裂となった。

 社民党県連は、立憲民主党への合流組と社民党への残留組に分かれることを正式に決めた。党員164人のうち立民への合流者を含め96人が離党した。社民に残るのは68人にとどまる。

 4人いる県議は2人ずつ分かれる。11人の市町村議員も双方に分かれる。今期限りで引退する照屋寛徳衆院議員は残留するという。

 社民党は全国的に見れば党勢の衰退が著しい。国政政党としての要件は、ギリギリのところで何とかクリアしている状態だ。次の衆院選で維持できるかは見通せない。

 党本部では解党による立民への合流が議論され、県連も一時は「合流やむなし」と受け入れる姿勢を示していた。

 自民1強の政治状況が続く中、「沖縄の声を国政へ届ける」ために、国政野党第1党に合流して大きなまとまりをつくろう、とする考えは理解できる。

 ただし県内では、米軍基地問題などへの熱心な取り組みで社民が存在感を示してきたのも事実だ。

 2019年の参院選比例代表での県内政党別得票数をみると、自民の13万5千票(25・9%)に次いで社民は10万票(19・2%)を獲得しており、根強い支持がある。

 前身である社会党時代からの支持者の中には、分裂に対するとまどいもあるだろう。離党する議員は、自身の選択を丁寧に説明する必要がある。

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 一方で立民も伸び悩んでいる。

 政府のコロナ対応の遅れなどで菅内閣の支持率は続落傾向にあるにもかかわらず、立民の支持率は自民党と差が開いたままだ。政権批判の受け皿となっていない。

 昨年11月に立民県連が発足したが、県内ではまだ存在感は薄い。社民からまとまった人数が合流することで今後、組織として結束できるか懸念もある。

 合流組と残留組、どちらにとっても厳しい船出となるのは間違いない。

 かつてのような勢いを欠いた「オール沖縄」勢力に、今回の分裂がどのような影響を及ぼすかもよく分からない。

 分裂を決めた臨時大会では、名護市辺野古の新基地建設を阻止することや玉城県政を支えることなどを確認し合った。

 ただ、那覇軍港の移設問題など政策の一部には社民と立民で温度差もみられる。連携が十分取れるか不安も残る。

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 来年には「オール沖縄」と自公が激突する最大の政治決戦、知事選が控えている。

 浦添市長選では政策の「腹六分」「腹八分」で結集することの難しさも露呈した。次は秋までに予定される衆院選が正念場となる。

 平和や基地問題はもちろん重要だ。社民と立民、どちらも非正規雇用や多様性の問題に積極的に取り組んできた強みがある。長引くコロナ禍で疲弊した県民の暮らしをどう立て直すか。しっかり協議し、共感を得られる政策を示せるかが鍵となる。