【東京】菅義偉首相は17日の衆院予算委員会で、米軍機の低空飛行訓練に関し「米軍の飛行訓練は、日米安保条約の目的達成のため重要だ」との認識を示した。赤嶺政賢氏(共産)への答弁。沖縄県内で頻発する低空飛行を受け、菅氏が見解を述べたのは初めて。赤嶺氏は「政府は必要な訓練と容認し、問題が起きたときだけ住民への配慮を求める対応に終始している」と批判した。

辺戸岬周辺を低空飛行で通過する米軍機とみられる大型機=10日、国頭村辺戸(読者提供)

衆院予算委で答弁する菅首相=17日午後

辺戸岬周辺を低空飛行で通過する米軍機とみられる大型機=10日、国頭村辺戸(読者提供) 衆院予算委で答弁する菅首相=17日午後

 菅氏は「地元から不安の声が上がっていることは承知している」との認識も表明。「ルールを守って安全面に最大限配慮し、地元に与える影響が最小限にとどまるよう防衛省、外務省にしっかり対応させたい」と述べた。

 住民が撮影した低空飛行の動画を見たとしたが「飛行高度の分析には専門的な知見が不可欠で、コメントは控えたい」と述べるにとどめ、政府が独自に検証する考えは示さなかった。

 昨年末から慶良間諸島周辺、2月4日は国頭村辺戸岬周辺で確認された飛行について、岸信夫防衛相は「日米間の合意に基づき行っているという回答を米側から受けている」と従来の見解を繰り返し、関係自治体にも伝えたと説明した。

 

 岸氏はこれらの飛行を受け、防衛省として米側に(1)航空機の運用時は引き続き日米合意を順守する(2)より沖合で訓練を実施する-など、周辺住民への影響を最小限にとどめるよう申し入れたと述べた。

 赤嶺氏は「政府は住民の安全に配慮してほしいと言うが、一向に改善されない」と批判し、低空飛行訓練の中止を強く求めた。

 県内では昨年末から今月上旬にかけて、慶良間諸島周辺や辺戸岬周辺、金武町上空で、米軍機の低空飛行が相次いで目撃されている。県議会は抗議決議と意見書を全会一致で可決し、訓練の即時中止を求めている。

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