県内で米軍機による訓練区域外の低空飛行が相次いでいる。国頭村議会が飛行訓練に対する抗議決議案を可決した19日も同村の辺戸岬周辺で米軍機とみられる大型機やヘリが確認され、村民が怒りの声を上げた。一方、県内各地で常態化している訓練は数年前からあったとする市民もいて、低空飛行が可視化された背景にはSNSで米軍機の情報が共有される現状もある。(北部報道部・又吉嘉例、粟国雄一郎、南部報道部・松田興平)

辺戸岬の上空を通過する米軍機=19日午前9時、国頭村辺戸

 19日午前9時、15分前に嘉手納基地を飛び立ったとみられる機体が辺戸岬に飛来。民間機ならありえない低高度で旋回した。

 岬でパーラーを営む男性(63)は「クジラの姿も見られる観光地にはミスマッチな光景だ。最近は特に増えていて、観光客が目をパチパチさせながら写真を撮っている」とあきれた。米軍機を目撃した村民からは「前から飛んでいた」「昨年も見た」との証言も出る。国頭村在住の60代男性は「3年前から辺戸岬に飛んで来ていたため問題だと思わなかった」と話した。

 慶良間諸島でも米軍機の低空飛行が目撃されている。住民が確認しただけでも昨年末から今年にかけて米軍機が飛来。6日には港近くを飛び、フェリーの乗船客が「船に突っ込んでくると思うほどの角度と高さだった」と振り返る。

 座間味村によると2年ほど前から断続的に軍用機の飛行情報が村役場に寄せられている。18日に村上空の米軍機を動画撮影した村議の宮平喜文さん(64)によると低い地点だと50メートル程度。「以前から訓練はあったが、最近の低空飛行と頻度はひどい」と憤る。

 同村でダイビングショップを営む宮崎俊孝さん(55)も数年前から海上などを飛ぶ軍用機を見てきた。ダイビング中に無人島で休憩中に頭上を巨大な機体が通過して驚いたといい、「小さな島でも軍用機が飛ぶすぐ下に人間の生活がある。不安が広がれば観光業にも影響が出る」と困惑する。

 米軍機の飛行を頻繁に目にする沖縄。ツイッターを使い、「#OHアラート」のハッシュタグ(検索目印)で米軍機の飛行情報を共有し、問題飛行の可視化を試みる市民もいる。

 ツイッター上には「19時56分宜野座村 ヘリ旋回 うるさい」「嘉手納轟音(ごうおん)してるな」などの情報が集まる。辺戸岬に飛来した米軍機についても位置情報や飛来時の写真、動画が共有された。

 2年前から「#OHアラート」でツイートし、本紙に低空飛行の情報を提供した50代男性は「同じ沖縄の中でも米軍機による騒音被害の地域差がある。『中央』から見えない場所で米軍がやりたい放題やっていることを、県民や県外の人にも知ってほしい」と指摘。県外でも米軍機の低空飛行が相次いでいることに「全国にも同様の取り組みが広がればいいのではないか」と話している。